床材の知識

2022.8.16

自宅でホテルライクなインテリアを実現する5つの法則

監修

インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏

海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

インテリアリテラシーの高まりに伴い、自宅を単なる生活空間ではなく、居住することで幸せを得られる場所にしたいという志向を持つ人が増えてきました。そんな中で数年前から注目が高まっている「ホテルライク」なインテリアや暮らし方は、ホテルに滞在している時のような特別感と居心地の良さを自宅で再現しようとするスタイルです。

このインテリアスタイルの特徴は、シンプルな中にも高級感があること。ホテルのインテリアには、どのような年代・性別・社会的カテゴリーの人にも受け入れられやすいことが重視されるので、自宅で取り入れた場合も飽きが来にくい点もメリットとして挙げられます。

今回は、比較的取り入れやすいラグジュアリーホテルやライフスタイルホテルと呼ばれるカテゴリをモデルに、ホテルライクなインテリアを自宅で再現するための法則を紹介します。

ホテルライクを実現するためのキーワード

ホテルライクなインテリアを自宅で再現するには、「人がホテルに入った時に感じる特別感・非日常感をいかに演出できるか」がカギになります。特別感と非日常感を感じさせる主な要素は何かを考えてみると、重視すべきキーワードとして以下の4点が浮かびます。

  • 高級感(ラグジュアリー感)
  • 重厚感(シックさ)
  • 清潔感(クリーンさ、シンプルさ)
  • 統一感(全体のバランス)

つまり、この4点を演出する工夫をする、あるいはこれらを邪魔する要素を排除することが、このスタイルを実現するためのポイントになります。

ホテルライクな空間づくり、5つの法則

それでは、具体的に何をすれば自宅のインテリアに高級感や重厚感、清潔感や統一感を出すことができるのか考えてみましょう。守るべき法則は5つだけです。

  1. 空間を広く見せる
  2. 生活感を消す
  3. 色数をしぼる
  4. 異形状・異素材をミックスする
  5. 複数の照明を用いる

(1)空間を広く見せる

限られた敷地に多くの客室を有するホテルにおいては、「部屋を広く見せる」ことが部屋づくりの最重要課題だと言われています。部屋の広さは居心地の良さに直結しますが、ホテルであれ自室であれ、ほとんどの場合は使用できる空間に限りがあるので広く見せるにはトリックが必要です。空間的制約は、色の心理的効果や視覚効果を利用することである程度解消することができます。

まずは色の心理的効果を利用し、天井が高く見える工夫をします。 明度が高い色には軽さや開放感を感じさせる効果があるので、天井を白や薄い黄色などにすることで頭上に広がりを生むことができます。

天井に明るい色を用いたコーディネート例
天井に明るい色を用いたコーディネート例

反対に、明度が低い色には重さや重厚感を演出する効果があるので、床面に使うことで縦の空間にさらに広がりを持たせることができます。また、濃い色には高級感を感じさせる特徴もあり、ホテルらしい上質な空間演出に効果的であると同時に、汚れが目立たずメンテナンスの手間がかからないというメリットもあります。

床面に暗い色を用いたコーディネート例
床面に暗い色を用いたコーディネート例(床面:パラドー社クンストヴェルクコレクション プラス、#503 Mineral Grey

もうひとつ、広さを感じさせるために気を配りたいのが、入口から窓までの抜け感です。ドアを開けた直後に視線が向かう先に窓があり、その直線上に目線以上の高さの物が置かれていないと、部屋全体を広く見せることができます。部屋のコーディネートを家具選びから始める場合は可能な限り目線よりも低い物を選び、上の空間で目線を邪魔しないようにするのがポイントです。背の高い家具を配置しなければならない場合は、手前に背の高い物・奥に背の低い物を配置して奥行きを出すことで圧迫感をカバーすることができます。

ホテルの部屋でよく使われるカーテンや鏡も、空間演出に有力なアイテムです。カーテンは遮光という実用的な役割も担っていますが、天井から床まで縦のラインを強調することで天井を高く見せる効果があります。また鏡は、擬似的な空間を作り出すことで部屋の圧迫感を解消することができる便利なアイテムです。

背の低い家具、カーテン、鏡を用いたコーディネート例
背の低い家具、カーテン、鏡を用いたコーディネート例

(2)生活感を消す

ホテルと違い、日常を過ごす自宅から生活感を消すのは容易ではありません。物を減らすのは大前提として、とかく生活感が出やすい小物類は収納家具に隠してしまうのが手っ取り早い方法です。玄関先やテーブル上でしまい込むと不便な物はトレーなど場所を決めて一箇所にまとめたり、パッケージに生活感が出やすいティッシュ箱や洗剤類などの日用品はケースを入れ替えるなどの対策でかなり存在感を抑えることができます。ホテルのアメニティ収納を参考に、目に付く物をなるべく少なくする工夫をしましょう。表に出ている物が減ると、掃除もしやすくなり清潔感も増します。

備え付けの収納家具を使って物を少なくしたコーディネート例
備え付けの収納家具を使って物を少なくしたコーディネート例

また、ゴミ箱など収納して隠すのが難しい生活必需品は、思い切ってインテリアの一部にしてしまうのもひとつの方法です。例えば、安っぽく見えてしまいがちなプラスチックのゴミ箱を木製のものやでデザイン性の高いものに変えたり、他の家具とトーンを合わせることで、ゴミ箱が悪目立ちするのを避けることができます。

(3)色数をしぼる

部屋に使われている色数が多いとゴチャついて見え、同時に子供っぽさも出るので、ホテルライクで目指す高級感・統一感とはかけ離れた印象を与えてしまいます。インテリアコーディネートの黄金比6:3:1(ベースカラー:メインカラー:アクセントカラー)に従って、使用する色を3色程度に抑えると落ち着いて見えます。

ベースカラー:モノトーン、メインカラー:茶色、アクセントカラー:黄色とゴールド
 ベースカラー:モノトーン、メインカラー:茶色、アクセントカラー:黄色とゴールド

(4)異形状・異素材をミックスする

ホテルライクな部屋の基本ルールは「シンプル」であることですが、シンプルや統一感を重視しすぎると単調で面白みに欠けるコーディネートに陥りがちです。しかし、メインとなる形や素材と異なるエレメントをインテリアの一部に取り入れると、統一感の中にも動きを出すことができます。

例えば、直線メインの中に曲線やナチュラルな形状を混ぜる、プラスチックや木など硬い素材にファブリックなどの柔らかい素材を加える、木製ベッドやテーブルのパーツに金属を選ぶなど、さまざまな方法があります。異素材のエレメントを使った場合に心配なごちゃつきも、トーンを揃えることで解消できます。

直線の家具をメインに、ソファや照明・アートで曲線を加えたコーディネート例
直線の家具をメインに、ソファや照明・アートで曲線を加えたコーディネート例(床面:パラドー社クンストヴェルクコレクション プラス、#101 Oak Explorer caramel)

(5)複数の照明を用いる

ホテルライクなインテリアづくりで大きなポイントとなる、照明の使い方。暗めの照明が生み出すリラックスした雰囲気を真似れば、ホテルライクな空間がグッと身近なものになります。

「暗めの照明」とはどの程度の明るさなのかというと、赤み寄りで温かみのある電球色がそれに当たります。LED照明の光源色を数値化したケルビン(K)を参考にすると、温かさや落ち着きを感じる色温度は総じて3000K以下とされています。

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ホテルライクな照明スタイルを自宅に取り入れる場合、ひとつの照明で部屋全体を明るく照らすのではなく、必要な場所に照明を設置して部分的に明るくするやり方が適しています。複数の照明を設置することで、雰囲気が出しやすくなるだけでなく、室内の明るさも確保しやすくなります。

複数の照明を使ったコーディネート例
複数の照明を使ったコーディネート例

具体的には、天井のスポットライトとダイニングテーブル上のペンダントライトで手元の明るさを確保し、ソファ横やベッドサイドにスタンドライトやサイドランプを置いてムードを演出する、といった方法です。背の高いスタンドライトには、天井を照らすことで空間を広く見せる副次的効果もあり、気軽に取り入れやすい空間演出アイテムのひとつです。

また、棚やベッド下、テレビの裏側から床や壁を照らしたり、アートや装飾品にスポットライトを当てて目線を集める使い方も、ホテルの雰囲気づくりでよく使われる照明テクニックです。

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