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2023.4.25

【輸入床材の特徴】ヨーロッパ産の床材って何が違う?

監修

インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏

海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

我々日本人にとって異国の文化・デザインをイメージしがちな「輸入床材」ですが、実際には原産国によってその特徴や強みが異なることをご存じですか?今回の記事では、輸入床材の原産地別の特徴、およびその中の「欧州産床材」の特徴について深掘りして解説いたします。

輸入床材の原産地別特徴

文字通り、海外から日本に輸入された床材全般を指して輸入床材と言います。実際のところ、国内メーカーの中でも海外工場で製造したものや、原材料の多くを輸入品に依存しているものなどもあるため、厳密にどこまでが国産床材、どこまでが輸入床材、と区別することは難しいですが、あくまで一般論で「海外メーカーが製造し、日本に持ち込まれたもの」を輸入床材と呼ぶことが多いでしょう。

輸入床材と一口に言っても、原産地によってその特徴や持ち味が異なります。

 特に売りされることが多いポイント
欧州製デザインや技術(※国によって特色が異なる)
アメリカ製技術
中国・東南アジア製価格競争力

「ヨーロッパ」として一括りにされることが多い欧州産の床材ですが、ヨーロッパと言えども千差万別で、技術や品質を売りにする国(イギリス、ドイツなど)、デザインを売りにする国(イタリア、フランスなど)、伝統を売りにする国、とそれぞれ違いが見られます。

北米製(アメリカ)の床材は、一般的には技術や品質が売りにされることが多いですが、デザインなどを武器にしている会社もあり、やはりメーカーによって色が異なると言えるでしょう。

中国や東南アジア製の床材は、その安価な労働力を活かして製品の安さを売りにしていることが多く、原産地を明確にしないケースもあります。また、製造を中国、デザインをヨーロッパや日本、というような分業をおこなうことで、「安物」というイメージを払拭しようという試みもなされがちです。

このように、原産国やメーカーによって「輸入床材」の売りにするポイントは異なり、また品質や価格もまちまちと言えるでしょう。勿論、中国産であっても「品質」や「技術」を売りにしているメーカーもあれば、欧州産であっても「価格競争力」を売りにしているメーカーもあるため、あくまで目安の一つとして捉えていただければと思います。

欧州産輸入床材の特徴

国によっては西暦よりも長い歴史を持つヨーロッパ、その世界史における存在感は絶大です。EU共同体の人口・経済規模はアメリカと同レベルで、経済的にも文化的にも世界で最も重要な地域の一つと言えるでしょう。

日本人の描く、メルヘンの世界に登場するような憧れの欧州の街並み、こうした文化的基盤で作られた床材には果たしてどのような特徴があるのでしょうか?

デザイン

日本人のイメージする「輸入床材」の中で、特に「お洒落」「異国情緒」「意匠性」のイメージをもって描かれるのはこうした欧州製のものが少なくないのではないでしょうか?バウハウスを代表する機能美を追求したドイツ、ロココ様式の伝統を汲み自然素材の加工を得意とするイタリア、など、それぞれの国や地域が、個々の伝統デザインを抱えています。

欧州の床材メーカーも他国のメーカーと対抗するにあたり、やはりデザインを強みをすることが少なくありません。伝統的なデザインを踏襲するだけでなく、自社のデザインチームを組織的に発展させ、他国のデザイナーや建築家と余念のない切磋琢磨を続けることで知られています。

ドイツに本社を持つParador社も、世界中の有名デザイナーとの協業や、自社内の有名デザイナーチームを持つことで有名で、欧州のデザイン力に定評がある床材メーカーの一つに数えられています。

天然木の表情と手触りをリアルに再現したドイツ職人 “こだわりの床材” PARADOR

価格

ドイツやイギリスなど、日本よりも一人当たりGDPが高い国の場合製品自体の価格が高いこともあり、加えて欧州からの輸送コストがのるため、日本での販売価格は国内メーカーと比較するとやや高い傾向にあります。

安さを売りにする販売戦略では、中国や東南アジアに対抗できないことを欧州メーカーも知っているため、代わりに品質やデザインに注力していることが多いでしょう。

規制・品質

欧州の床材は、関税のかからないEU域内で消費されることが多く、国をまたいでの統一的な床材規格が義務付けられています。日本のみで通じるJIS規格と異なり、様々な国と地域において横断的に通用するための試験内容を設けており、また輸出を前提とした試験であることから厳格な審査で知られています。

こうした公的な試験とは別に、企業によっては独自の検査工場を設けているところも少なくなく、Parador社もドイツの自社工場において製品の検査をおこない、日々品質の向上に努めています。

技術

陸続きのヨーロッパにあっては、他国との技術交流が盛んで、また新しいとされていた技術もすぐに時代遅れになってしまうことから、自社の優位性を活かしたモノづくりが求められています。代表的なところでいえば、土足文化に適した「土足に強い床材」やリノベ文化に適した「リフォームしやすい床材」といったものが特徴的な技術と言えるでしょう。

勿論、これらは日本と比べヨーロッパの技術が進んでいる・劣っている、というわけではなく、床材の文化的・歴史的背景を反映させたものに過ぎませんが、今後欧米式の生活様式が取り入れられつつある日本では当てはめやすい技術になっていくかも知れません。

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規格

欧州製床材の規格や試験方法は、基本的にEU域内や北米での消費を想定していることが多く、日本の規格と必ずしも一致しないことがあります。一方で、床材の耐久性テスト、ホルムアルデヒドの発散量など、最低限の使用に耐えうる、健康被害に関連のある項目は輸入元から提示されていることが多く、日本国内で販売されている輸入床材は現地の法規制に則った物であると言えます。

サイズ感に関して言うと、欧州規格の床材は日本のそれよりも一回り大きく、現地の生活様式に適したものになっていることが多いでしょう。特に、幅広でゆったりとした床材を探す場合、欧州製の床材は持って来いかも知れません。

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