床材の知識

2023.9.30

南欧風の家を日本で建てるなら?選ぶべきスタイルと相性の良い床材

監修

インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー/キッチンスペシャリスト猿渡 奈央

海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

日本とは地理的にほぼ対極に位置する南欧(南ヨーロッパ)。気候的にも文化的にも日本と異なる部分が多い地域ですが、そこに建ち並ぶ人々の住まいは日本人を惹きつける魅力に溢れています。日本で南欧風の家を建てたいと思ったらどんなスタイルや素材を選べばいいのか?この記事ではそんな疑問にお答えすべく、実は日本で馴染みやすい南欧住宅の特徴や日本で取り入れる場合の最適スタイル、床材とインテリアの合わせ方を紹介します。

南欧の風土と建築の特徴

「南欧」「南ヨーロッパ」とは、フランス南部、ギリシャ、イタリア、スペインなどをはじめとする地中海沿岸のヨーロッパ側の地域を指します。具体的なエリアとしては、プロヴァンス地方/コートダジュール地方(フランス)、アマルフィ海岸(イタリア)、カタルーニャ地方/アンダルシア地方(スペイン)などが有名です。夏季には世界中から多くの人がバカンスに訪れることから、リゾート地のイメージが強い地域でもあります。

燦燦と輝く太陽とコバルトブルーの海で有名な地中海沿岸は、地中海性気候、あるいは温暖夏季少雨気候と呼ばれる気候帯。一年中安定した温帯気候で比較的過ごしやすいですが、夏場は晴天続きで雨がほとんど降らず、年によっては40℃を超える厳しい暑さと乾燥で知られています。

それゆえ南欧の家は、夏の高温を和らげる工夫が随所に施されています。

  • 強い日差しを遮るための厚い石壁、頑丈な屋根瓦
  • 強い日差しを反射する明るい色の壁
  • 熱気が入りづらい小さな窓

湿度が低いので、紫外線さえ遮れば家の中は涼しく保つことができるのが日本とは異なる点です。壁の素材としては、この地域で昔から手に入れやすい石灰(漆喰)が重用されています。石灰の白は遮熱効果が高いことに加え、防カビ作用や、見た目にも清潔感があることが建築材として広く使われるようになった理由です。外熱を防ぐため壁を厚く、窓を小さくすると部屋の中が暗くなりますが、白壁は暗さを緩和することにも役立っています。

南欧と言っても広いので地域ごとの特色は様々あるものの、特徴をまとめると以下のような点が挙げられます。

【南欧/南ヨーロッパ建築の特徴】

  • 明るい色合いの塗り壁
  • 洋瓦
  • 軒がない/短い(日本に比べて雨が少ないため)
  • 広いテラス
  • アーチ型の開口部
  • テラコッタタイル
  • アイアン装飾

日本で取り入れやすい南欧風スタイルとは?

南欧建築は温かみと自然との調和を重視したスタイルで日本的メンタリティーと共通する部分があり、概して日本の街並みにも溶け込みやすいと言えるでしょう。石灰(漆喰)や瓦は日本の伝統的な建材でもあり、素材の面から取り入れやすくもあります。と言ってもギリシャの島々の家のような真っ白な壁にコバルトブルーの扉や窓枠は浮いてしまう恐れがあるので、おすすめしたいのは南イタリアやスペインで見られるアースカラーの家。白・ベージュ・はちみつ色などの外壁に、オレンジやレンガ色の屋根瓦の組み合わせはやさしく柔らかい印象を与え、日本の住宅としても違和感なく取り入れられるでしょう。

南欧建築の特徴であるアーチ型の下がり壁やアイアン装飾、テラコッタタイルを使うと一気に雰囲気が増します。華やかなモザイクタイルは、キッチンやバスルームなどの水回りに最適かつ華やかさが演出できるアイテムです。

南欧風住宅と合わせやすい床材&インテリア

内外装に自然素材をふんだんに用いている南欧風住宅にマッチするインテリアは、ナチュラルスタイルです。カラーパレットは白やベージュ、ウッド系、植物のグリーンなど。ベースカラーやアソートカラーをナチュラルカラーやアースカラーでまとめ、アクセントカラーとして南欧の太陽のような黄色や、赤土を思わせるレンガ色、コバルトブルーの海のような青などのビビットカラーを利かせると、リラックス感と引き締めがバランス良く叶うでしょう。

床材で選びたいのは、木目の主張が強くないライトブラウン~ライトグレー系のフローリング。オークの持つ自然な表情を活かし、落ち着いたやさしい印象をもたらすOak Studioline sanded(KUNSTWERK COLLECTION)や、柔らかな表情を帯びたOak Studioline natural、ヨーロッパの古木をモチーフにしたOak Natural Mixgrey(ともにKUNSTWERK COLLECTION PLUS)がおすすめです。

モダンな南欧風住宅の場合、ラスティックモダンなインテリアも似合います。石、木、土など天然素材を重用するラスティックスタイルは、自然と調和する南欧風住宅との相性抜群。シンプルなナチュラルスタイルよりも素朴なラフさが加わり、シャビ―感が増してクールな印象に仕上がります。使用する色数も最小限に絞り原色系を使わないスタイルのため、ナチュラルよりもシックにまとめたい時に最適です。

床材は、ナチュラルスタイルで紹介した自然な表情のフローリングはもちろん、よりクールな印象を残したいなら大理石調やモルタル調も有力候補となります。素朴ながら表情豊かなConcrete greyや、清潔感と高級感を併せ持つDolomite white(ともにKUNSTWERK COLLECTION PLUS)は、あなたの南欧風住宅を格上げする最高の1ピースとなるはずです。

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