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2024.1.28

【ピーチファズ】2024年のトレンドカラーをインテリアに取り入れるコツ

監修

インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー/キッチンスペシャリスト猿渡 奈央

海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

毎年、年の瀬にPANTONE社(以下パントン社、本社アメリカ)が発表する「カラー・オブ・ザ・イヤー」は、次年のインテリア、ファッション、コスメティック、ビジュアルメディアなどさまざまなデザイン分野に影響を与える要素として注目されています。世界で最も影響力のある色見本会社が2024年のトレンドカラーとして選んだのは、「ピーチファズ」。2023年の色「ビバ・マゼンタ」が示したエネルギッシュな力強さとは対極を行くような柔らかなヌードピンクは、どちらかというと控えめで、圧迫感なく取り入れられるのが特長です。

今回は、ピーチファズという色が持つ特徴を解説しながら、同色をインテリアに取り入れる際に注意すべき点やコーディネート例を、マッチする床材とともに紹介します。

「ピーチファズ」はどんな色?

ピーチファズをひとことで表すと、ピンクとオレンジの中間のような「甘すぎない桃色」です。パントン社が掲げるキャッチコピーは“Embrace the Warmth”(あたたかさを抱きしめる)で、同社のエグゼクティブディレクター、リアトリス・アイズマンからは「あたたかさ」、「モダンなエレガンス」、「共感」、「包み込まれる感触」などがキーワードとして示されています。

キービジュアルにはタンポポの綿毛やねこじゃらしのようなフワフワしたやさしい手触りのものが使われており、「柔らかさ」がこの色の核であると言っていいでしょう。

Pantone(R) 131023 Peach Fuzz のカラー情報
sRGBカラー255, 190, 152
HexカラーFFBE98
L*a*bカラー83.16, 22.40, 30.15

ピーチファズはサクラ色にヌードベージュを足したような色で、日本人の肌色にも近いためなじみ深く、取り入れるハードルも低いと言えます。2023年のビバ・マゼンダが閉塞感を打ち破るべく踏み出す一歩を後押しするような力強さを持った色だとするなら、今年のピーチファズにはその歩みを少し緩めて、「自分の内面に目を向けよう」と促すようなメッセージ性も感じられます。

(C)Adobe_Stock

どう取り入れる?他の色との組み合わせ方と注意点

ピーチファズは、ピンクの愛らしさにヌードベージュの健康的な色気が加わることで子供っぽさが抑えられ、淡く柔和なトーンで日本の家にも馴染みやすい色です。パントン社はピーチファズとの組み合わせとして5つの配色パレットを発表していますが、インテリアへの転用を考えた時に使いやすいのは、

  • 柔らかさが加速するパステルカラーとの組み合わせ
  • ナチュラル感を強調するニュートラルカラーとの組み合わせ
  • 引き締め効果でクールさが出せる黒や寒色との組み合わせ

の3つの王道パターンです。

パントン社が提唱する組み合わせカラーパレットの一例(左上から)
同色系 Peach PlethoraHoney Peach(ハニー・ピーチ)13-1015
Peach Puree(ピーチ・ピュレー)12-1011
Peach Pink(ピーチ・ピンク)15-1530
Peach Pearl(ピーチ・パール)14-1419
寒色・反対色系 PairingsBlazing Orange(ブレイジング・オレンジ)15-1160
Bermuda(バミューダ)14-5416
Baltic(バルティック)16-5123
Nautical Blue(ノーティカル・ブルー)19-4050
Little Boy Blue(リトル・ボーイ・ブルー)16-4132

単色では「ロマンティック」や「ヴィンテージ」感が強く出るピーチファズですが、他のカラーや素材との組み合わせることで甘さを抑えた印象にコントロールすることができます。主張が強い色ではないので、ベースカラーとし取り入れた場合も圧迫感が少ないことが特長のひとつですが、反面、専有面積が広いほどぼんやりした印象になりがちです。

そのため、性格の違う色や素材で引き締めを図って全体のバランスを取りましょう。幸いピーチファズはゴールド・シルバーといったメタル系カラー/素材や、黒や濃紺といった濃色との相性も良く、クールなスタイルもカバーできる懐の広い色でもあります。

ピーチファズを使ったコーディネート例

ピーチファズ自体が軽く、やわらかい印象を与える色なので、同じ志向のインテリアスタイルに合わせるのが最もベーシックで難易度が低い取り入れ方です。

例えば、北欧やジャパンディ、ラスティックなど、天然素材やニュートラルカラーを多用するスタイルのアクセントとして用いやすいことは容易に想像できるでしょう。また、メタル系や直線を多用したモダンスタイルへも違和感なく取り入れられる一方で、ヴィンテージやブルックリンスタイルなど硬質さや無骨さを全面に押し出したスタイルとの相性は良くありません。

具体的なコーディネートとして、まず最も難易度の低い取り入れ方、つまり小物(アクセントカラー)にピーチファズを使った例を見てみましょう。下の例では、クッションカバーでピーチファズを取り入れることで、一気に空間全体のトレンド感が増しているのがお分かりいただけるのではないでしょうか。

アート、フラワーベース、花なども、コストと手間をかけずにトレンドカラーを取り入れるにはおすすめのアイテム。壁は白、床はライトブラウン、家具は白・ベージュ・ブラウン系でまとめられたシンプルな北欧スタイルですが、クッションを同系色にすると無難すぎて退屈になるところを、ピーチファズを用いることで明るさと華やかさが加わっています。

相性の良い床材: Parador #4Oak Natural Mixgrey, #8 Oak Studioline Natural

次に、家具(アソートカラー)でピーチファズを取り入れる場合を見てみます。下の例では、モダンスタイルインテリアの随所にピーチファズを取り入れ、トレンド感を出すことに成功しています。

クッション、フラワーベース、ベッドテキスタイル、ラグの一部、ソファとさまざまなアイテムに使っていますが、ピーチファズとカテゴライズされる色の中でもベージュ寄り、オレンジ寄り、ピンク寄りと、グラデーションを付けた色使いによって空間にリズムが生まれている点に注目してください。また、それ以外の色を白・黒・グレーの無彩色とベージュ系・ウッド系に揃えることで、統一感のある仕上がりになっています。

相性の良い床材:PARADOR #4 Oak Natural Mixgrey

上の2例ではピーチファズに近い柔らかめのベースカラーを使ったスタイルを紹介しましたが、こちらは濃色を使用した上級者スタイル。パントン社が提唱する組み合わせカラーパレットの「バミューダ」に近いダークグリーンを壁面に用いたコーディネートです。壁面の明度が落ちて全体的に落ち着いたアダルトな雰囲気に仕上がっており、空間に重厚感が出るためダークブラウンの本棚やコーヒーテーブルも違和感なく溶け込んでいます。

相性の良い床材:PARADOR #8 Oak Studioline Sanded, #505 Dolomite white

最後に、ピーチファズを壁(ベースカラー)に取り入れた場合の例を見てみましょう。ピーチファズはヌードカラーにカテゴライズされ主張の強い色ではないものの、広い面積に用いればそれなりにインパクトが出ることは避けられません。

部屋の印象を、色そのものが持つ性格(ロマンティックでガーリー)と同じ方向に持っていきたいのか、そうでないのかによって対策は異なりますが、下の例では「他のアイテムに目を向けさせる」ことによって甘さ一辺倒にならず、モダンな印象に仕上げています。ソファにパントン社組み合わせパレットの「バルティック」を思わせる深緑を使い、一人掛けチェアやコーヒーテーブル、照明などその他のアイテムは黒・ダークグレーで引き締めを図っています。この例のように壁と大型家具両方に印象深い色を持ってきた場合の床色は、白やグレーなどの無彩色を選ぶことをおすすめします。壁とソファのゴージャス感に負けない、大理石調の高級感を持つドロミテ・ホワイト などが好相性です。

相性の良い床材:PARADOR #4 Oak grey whitewashed, #505 Dolomite white

【出展・参考】


ドイツでブランドランキング1位の最高級SPC床材

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