床材の知識

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    2022.10.19

    まとまりがないインテリアの原因:「統一感」の重要性とルール

    監修

    インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏

    海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

    自宅のインテリアが「なんとなくしっくりこない」「スタイリッシュに見えない」原因のひとつに、統一感の欠如があります。統一感は、部屋全体にまとまりを出すだけでなく、雰囲気づくりや開放感の演出のためにもインテリアプランニングにおいて念頭に置いておくべき概念です。今回は、統一感のある部屋とない部屋を比較しながら、気を配るべき5つのルールを紹介します。

    インテリアにおける「統一感」とは?

    まず言葉の定義をすると、統一感とは「全体が同じ雰囲気で統一されている様子」「統制のとれた状態」を指します。これをインテリアに当てはめて考えてみると「一定のテーマやルールに則ってコーディネートされた部屋の状態」であると言えるでしょう。統一感がある部屋とない部屋が与える印象の違いは、以下のようなものが挙げられます。

    【統一感がある部屋】

    • すっきりとした印象
    • 部屋が広く感じる
    • まとまって見える
    • 洗練されて見える

    【統一感がない部屋】

    • ごちゃごちゃした印象
    • 部屋が狭く感じる
    • 物が多く見える
    • 野暮ったく見える

    統一感の重要度はスタイルやジャンルによっても異なりますが、無統制に好きな物を並べるだけでなく、テーマ性に沿って部屋の内装とアイテムを選んで実装することが、魅力的な部屋づくりの基本になります。

    統一感を出すための5つのルール

    統制の取れた状態を作るためには、具体的なプランニングの前に理想のイメージやスタイルを固め、実装の際にそのイメージから外れない選択をしていくことが重要です。引越しなどで家具を買い足す場合は、ファッションと同じく手持ちの物や内装とのコーディネートを考えて購入しましょう。ここからは統一感を出すために、内装プランニング、家具選び、配置の際に気を配るべきルールを5つ紹介します。

    配色

    部屋の中に多数の色が使われていると目から入る情報量が増えるため、雑多でまとまりがないイメージを与えます。統一感を出すためには色数は3色、多くても5色程度に絞るのが適正とされています。内装や家具の色選びの際には、カラーコーディネートの黄金比である70:25:5(あるいは60:30:10)を利用すると失敗が少なくなります。

    •  ベースカラー:部屋全体の60~70%程度(床、壁など)
    • アソートカラー:部屋全体の25~30%程度(家具、カーテンなど)
    • アクセントカラー:部屋全体の5~10%程度(小物類など)
    color interior
    ベースカラーにモノトーン、アソートカラーにブラウン系、アクセントカラーにネイビーを使ったコーディネート例

    素材

    ウッド、メタル、ファブリック、革、ガラス、ラタンなど、インテリアでは多くの素材が使われますが、用いる素材をある程度限定することで、高度なテクニックがなくても統一されたすっきりした印象を演出することができます。

    material interior
    ウッドとメタルをメインに素材を抑えたコーディネート例

    テイスト

    色や素材が同じでも、テイストが違った家具はまったく異なる印象を与えます。家具や小物を購入する前に目指すインテリアスタイルを再確認し、可能であれば写真を使って配置シミュレーションを行なっておくと、部屋に運び込んだ時の印象のズレを避けられます。

    style natural
    ナチュラルテイスト
    style industrial
    インダストリアルテイスト

    ※インテリアスタイルやジャンルによって選ぶべき家具のテイストも異なる

    ライン

    部屋のエレメントに規則性を持たせることも、統一感を出すための有効な方法です。家具の高さや奥行き、建具のラインが揃っていないと部屋全体がバラついた印象になります。ドアや窓枠のライン、収納家具の高さ、リビングテーブルやソファの座面など、直線部分を揃えることで統一感が出るだけでなく、すっきりとして空間が広く見える効果もあります。

    line interior
    ドアフレームと窓枠のラインや、コーヒーテーブルと椅子の座面の高さを揃えたコーディネート例

    物量とリズム

    部屋に置く物量を抑えて余白を作ることも重要なポイントです。表に出ている物が多くなればなるほど目から入る情報量も増えるので、インテリアの一部となっているアートや装飾品以外の日用品はできるだけ存在感を消しましょう。

    見せない収納で隠すのが一番手っ取り早い方法ですが、収納ケースやボックスが見えてしまう場合は、色や形を合わせて連続性や規則性を出せば悪目立ちしません。また、椅子や照明、絵などの装飾品は、同じ物を左右対称や直線状に複数並べて設置すると規則的なリズムを作り出すことができ、統一感の演出に効果的です。

    rhythm interior
    左右対称に設置した照明、連続する絵画・椅子・カーテンでリズムを作ったコーディネート例

    陥りやすい失敗と対策

    統一感にこだわるあまり、素材も色も形もすべてシンプルで同じようなもので揃えてしまうと、空間全体が単調でつまらない印象になってしまう危険があります。対策として、異素材や異形状を取り入れて部分的に「統一感を裏切る」ことでインテリアに面白みを持たせることができます。異素材を取り入れる時は色や形、異形状を取り入れる時は色や素材を他のアイテムと合わせるなど、一定の共通点を持たせることが、バラついた印象を抑えるポイントになります。

    これは、内装と家具・装飾品とのバランスにおいても共通しています。エレメントの個性が強めな場合は床や壁を無彩色(白やグレー)にして主役を引き立たせ、逆にエレメントの個性が弱い場合は床や壁に強めの色や異素材、パターンを取り入れて特徴を出すと、ただシンプルなだけではないインテリアを作ることができます。

    failure floor
    配色や家具をシンプルに、床の素材で特徴を出したコーディネート例
    Industrial-Canvas-grey
    床材例(1)
    #501 Industrial Canvas grey
    Granite-anthracite
    床材例(2)
    #506 Granite anthracite
    Hangzhou
    床材例(3)
    Hangzhou

     ※1・2:クンストヴェルクコレクション プラス | 3:Designers’ edition One Ground より

    インテリアスタイルと統一感の重要性

    目指すインテリアスタイルを最初に固定することが、後々のズレを生まないための方法です。自分のイメージする部屋に近い写真を探し、そこからインスピレーションを広げていくのがもっとも簡単で手っ取り早いでしょう。特にモダンやミニマリスト、北欧ジャパンディなどシンプル寄りのスタイルは、アイテム数が少ないぶんひとつひとつが際立つので、スタイルにマッチした物を慎重に選ぶ必要があります。

    interior_style

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