床材の知識

2022.8.20

トレンドスタイルの取り入れ方:ジャパンディの特徴と相性の良い床材

監修

インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏

海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

2021年のトレンドとして発信されて以来注目を集める「ジャパンディ」は、北欧のモダニズムと和のミニマリズムを融合させた新しいインテリアスタイルです。ジャパンディという名称は日本“Japan”とスカンジナビアスタイルを表す“Scandi”を合体させて生まれた造語で、既存の北欧スタイルに日本風のテイストを加えたインテリアがこれに分類されます。

このスタイルは「和」の部分で日本人には馴染みが深い反面、一歩間違えると単なる和風の居室空間になってしまいかねないのでプランニングの際に注意が必要です。今回は、このジャパンディスタイルの特徴とともに、同スタイルを日本の住居で取り入れるときの注意点や相性のいい床材について解説します。

ジャパンディスタイルの特徴

ジャパンディの特徴を表すキーワードは、「ミニマリズム」と「機能美」。クラシックなスカンディスタイルが持つ機能性や心地良さに、日本文化特有の「侘び寂び」のエッセンスを加えて完成するインテリアスタイルです。

日本文化特有の「侘び寂び」のエッセンスを加えて完成するインテリアスタイル

侘び寂びの根底にあるのは、質素なものに趣を見出し、時間の経過によって表れる美しさを重んじる美意識です。そのメンタリティは、日本庭園や茶室などの伝統的な建築物や、茶道具・絵画などの美術工芸品からも伺い知ることができます。古くなった物を「劣化した」と否定的に見るのではなく、汚れや傷も美しさの一部と捉えて大切にする心は、サステナビリティの観点からも現在の世界トレンドにマッチしていると言えるのではないでしょうか。

茶室
伝統的な建築物

ジャパンディ(日本風)とスカンディ(北欧風)はシンプルさや自然素材を多用するといった点で似た方向性を持っていますが、ジャパンディには「不完全さを愛する」「余白を大事にする」という独特の感性があります。スカンディの直線的でシンメトリーなデザインに対し、ジャパンディでは自然の形をそのまま活かした工芸品や調度品が多く取り入れられ、余白や間(ま)の役割に重きを置いた空間作りが特徴的です。

ジャパンディでは自然の形をそのまま活かした工芸品

日本の住居で取り入れるときの注意点

現代日本の一般的な住居は多くが洋風建築、あるいは和洋折衷建築であるため、純和風建築でない建物に日本の伝統的スタイルをそのまま持ち込むと古臭さやチープさが出てしまう危険があります。海外のジャパンディスタイルを参考に、フローリングや洋の内装と上手く組み合わせることが成功のカギと言えるでしょう。

ジャパンディは不要な物を可能な限り削ったミニマリズムスタイルであり、部屋に配置するアイテム数は他のスタイルに比べて必然的に少なくなります。その分、アイテムひとつひとつの存在感、部屋の雰囲気作りに与える影響は大きくなるため、セレクトには細心の注意が必要です。家具や装飾品、内装を決める際に抑えておきたいポイントを、いくつか紹介します。

  • 自然素材を使った調度品・装飾品を選ぶ(紙、木、石、竹、陶器など)
  • 背の低い(床に近い)家具を選ぶ
  • 大量生産ではない、手作り感のある物を選ぶ
  • 観葉植物を適度に配置する
  • 日本の伝統色(に近い色)を使う
  • 内と外との境界線を薄くする(「借景」の考え方)
ミニマリズムスタイル

色使いとアイテム

ジャパンディスタイルにおいては、「和を以て貴しとなす」の精神に体現されるように、主張の強いアイテムを置かないのが鉄則です。周囲と調和し、他のアイテムと喧嘩しない物を選びましょう。

色使いはニュートラルで温かみのあるアースカラー、水墨画を彷彿とさせる白やグレーなどをベースに、アクセントカラーとして鳥居の朱や苔の緑、桜のパステルカラー、日本の伝統色を使うと雰囲気が出ます。

ジャパンディスタイル

また、黒をポイント的に使うと、空間全体が引き締まる効果があります。黒には日本の「書」を思わせるイメージもあり、クールな印象のジャパンディスタイル作りに一役買ってくれます。

クールな印象のジャパンディスタイル作り

さらに、日本の伝統的な素材やデザインを使ったアイテムは、部屋の印象を一気にジャパンディに近づけてくれます。例えば、障子スクリーンのパーテーション、ウッドスラットパネル、盆栽、い草クッション、ローベッドなどが代表的なアイテムとして挙げられます。

ジャパンディスタイルと相性のいい床材

日本古来の木造建築の雰囲気を体現する茶系や、水墨画や枯山水を彷彿とさせるグレー系を選ぶとまとまりやすくなります。他のアイテムとの調和を考えて、節やコントラストが強くない床材を選びましょう。

部屋全体がぼんやりした印象にならないよう、例えば壁や家具・装飾品が濃い色なら床には薄い茶色を、内装やアイテムに薄い色が多いなら床には濃い茶色を、といった選び方をするとメリハリが付けやすくなります。また、黒やパステル系をアクセントカラーとして取り入れている場合、グレー系の床材もマッチします。

【グレー系床材の例】 Pine scandinavian white
【茶系床材の例】#8 Oak Studioline sanded
【グレー系床材の例】 Pine scandinavian white
【グレー系床材の例】 Pine scandinavian white

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