床材の知識

2022.6.9

【グレー系床材の特徴】おススメの壁・欧風インテリアとは?

監修

インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏

海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

部屋作りのベースカラーとして万能なグレー系の床材ですが、かといってグレー色一辺倒の部屋になってしまうと今度は退屈さを醸してしまうものです。今回の記事では、ヨーロッパ風のグレー床材とアクセントカラーを組み合わせたお洒落な空間づくりのコツについて解説していきたいと思います。

グレー系床材の種類と与える印象

「ねずみ色を描いたことのない画家は画家と言えない」とフランスの画家ポール・セザンヌの言うように、彩度ゼロの無彩色にあたる灰色は基本色であると同時に、後述の通りその単調なイメージから、ある種画家にとっての扱いにくさも秘めていました。

一方で、インテリアにおいては強調しすぎずに他の色を引き立てる効果を持ち、あわせやすいカラーの代表とも呼べるでしょう。そのため、床材や壁材のようなベースカラーに使用されやすい代表的なカラーの一つで、実際に多くの床材、壁材メーカーもグレー系の製品を出しています。

グレー単体では総じて「刺激が乏しい」「退屈な」というイメージを与えてしまいますが、裏を返せば「心を落ち着かせる」「静かな」という印象を見る者に与えます。部屋を丸々グレーで統一してしまうのは考え物ですが、アソートカラーやアクセントカラーにベージュや赤を使用することで、ちょうどよいコントラストが生まれ家具などが映えるようになります。また、白よりも汚れが目立ちにくく、整った印象を与えることができます。

ポジティブなイメージ・効果

  • エレガントな
  • 落ち着いた
  • 上品な
  • 心の調和
  • 静かな

ネガティブなイメージ・効果

  • 刺激が乏しい
  • 退屈な
  • 不活発な
  • 陰気な
  • 単調な

グレー系の床材には大きく分けて①タイル調(大理石、コンクリート、御影石等)、と②グレーウッド系の二種類が挙げられます。

ストーンタイル系でいうと、バウハウススタイルのような全体的なコンセプトをもたせるインテリアで使用されがちです。キッチン、バスルーム、トイレなど本来タイルの使われやすかった水回りポイントに、SPCタイルなどを当てはめるスタイルもヨーロッパで人気です。

グレーウッド系でいうと、古木をイメージしたグレー系の着色フローリングが元々のトレンドとして存在しました。本来のオークの持つ色味を抑え、スカンジナビア風、あるいは日本のワビサビ精神を醸す空間作りなどを行う際に使用された手法です。この「古木風」のスタイルは、木質フローリングから塩ビタイルなどにも援用されています。

グレー系床材との合わせ方

そもそも床材は、空間の中でも視認される面積・与えるインパクトが大きい、「ベースカラー」となるため、その色合いは慎重に見極める必要があります。耐用年数も長く、家具などの交換と比べ模様替えに時間と手間がかかるため、将来的にどんなインテリアと合わせやすい色・デザインを用いることが定石とされています。

※フローリングと色の相性についてより深く知りたい方のための記事:フローリングの色選択が部屋のテイストに与える影響

一般論で言うと、(部屋のテイスト・コンセプトをどのように持っていきたいのかにも寄りますが)床と内装材の関係性は、基本的に床よりも壁、壁よりも天井の明度が高いことが望ましく、実際に市販されている床材製品もインテリアに合わせやすいように、「中明度×低彩度」~「中明度×中彩度」に分類されることが多くなっています。

一方で、グレーは無彩色で、基本的に「どんなインテリアにも合う」カラーです。そのため、グレー色との合わせ方での注意点は、むしろ「グレー自体は強調しすぎない色のため、アソートカラー、アクセントカラーを使用して寂しくならないインテリア」を作る必要がある点でしょう。

  • ベースカラー 部屋全体の60~70%程度(床、壁など)
  • アソートカラー 部屋全体の25~30%程度(家具、カーテンなど)
  • アクセントカラー 部屋全体の5~10%程度(小物類など)

また、「インテリア内装材の色彩とそれらの配色について」の調査では、グレー、ナチュラル(木質系)の色に適した壁材の印象試験が行われ、特に広いスペースではグレーの床に対しRP(赤紫)、G(緑)、Y(黄)の壁材との組み合わせが見る者に好印象を与える、という結果が出ています。

RP(赤紫)系の壁との調和例
RP(赤紫)系の壁との調和例
G(緑)系の壁との調和例
G(緑)系の壁との調和例
Y(黄)系の壁との調和例
Y(黄)系の壁との調和例
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グレー系床材と親和性のある欧風インテリア

上述の通り、基本的にどのようなインテリア・家具とも合わせやすい特徴を持つグレー系の床材ですが、以下、特に親和性の高いヨーロッパ風インテリアを二つ紹介します。

ちなみに、グレー色はモノクローム、すなわち白黒とも混同されがちですが、モノクロームとは単色(1色)のことを表し、白黒とは異なります。例えば赤一色しか使われていなければ、それはいわゆるモノクロに当たり、グレー一色もモノクロのカテゴリに属します。

バウハウス系

ドイツ建築の代名詞ともいえる「バウハウス調」のインテリアデザインは、グレー系のベースカラーともっとも親和性の高いデザインの一つと言えるでしょう。強調しすぎない背景(グレー)に対し、くっきりと浮かび上がるように鮮明な黄色や赤色のアクセント、シンプルな線分によって形作られた家具、という組み合わせは、バウハウスデザインの得意とするところです。

バウハウススタイル

スカンジナビア・北欧系

明るい空間に素朴な表情を讃える古木風のグレー床材は、「北欧系スタイル」の代表的な組み合わせです。強調しすぎない背景のなかに、赤や黄色のイントネーションが爽やかに映える北欧・スカンジナビア風の特徴は、あたかも暗く冷たい北欧の冬に、一輪の花が咲くようだと言われています。

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