床材の知識

2022.3.20

【耐水・耐熱・高耐久】SPCフロアのメリット・デメリットを徹底解説

監修

インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏

海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

2010年代後半に登場したSPCフロアは、その後先進国を中心に徐々にマーケットシェアを伸ばし、2020年にはついに従来のLVTフロアの需要を上回り、塩ビ床材の中で最も売れ行きのカテゴリとなるに至りました。

日本でも大都市やデザイナーを中心に人気の浸透しつつあるSPCフロアですが、既存のLVTフロアや他床材との比較という面でまだまだ認知度の欠けている部分が否めません。今回は、なぜここ5年でSPCフロアの人気が急激に増えたのか、またそのメリット・デメリットについて解説を行います。

欧州・北米市場を牽引:SPCフロアの人気度

2019年から2020年は、世界の塩ビ床市場にとって大きな転換ポイントとなりました。長年塩ビ市場を牽引していたLVT由来の床材の需要を、2010年代後半に開発されたSPCフロアが上回ったのです。

塩ビ系床材売上(MMFA統計ベース)
MMFA統計を元に作成

2019年から2020年にかけ、東欧では前年比+153%、西欧では+28.8%、北米では+37.4%という驚異的な伸び率を残したSPCフロアは、クリック式LVT塩ビ床の後継者として2010年代の後半から先進国に広まったもので、近年では日本でも浸透しつつあります(塩ビ床の歴史に関しては「【塩ビ床の歴史】SPC床材の登場で塩ビ床市場はどう変わったか」の記事を参照)。

SPCフロアのメリット

メーカーによりその製品特徴は若干異なりますが、SPCフロアは基本的には「Stone Plastic Composite」という、いわば石灰石の割合を多く含む製品基盤を持つ塩ビ系床材です。長年世界の塩ビ業界を引っ張ってきたLVT床材の後継者として発展したSPCフロアは、それゆえLVT床の持つ強みを引き継ぎ、弱みを解消した形となります。

耐水性

塩ビシートフロアから始まる塩ビ系床の系譜は、いずれも木質床やカーペット、ラミネートフロアなどに比べ耐水性に優れた特性を持ち、SPCフロアも例外ではありません。耐水性とは、例えば水をこぼした際、水気を含んだもので掃除をするときのような直接水分に触れるとき以外にも「下床からの湿った空気」や「夏場の高温多湿」といった空気中の湿気への耐性も含みます。

この「水気」や「湿気」への強さは、今まで床材の使用が敬遠されがちだったキッチン・水回りや脱衣所といった、部分への施工も可能とさせるものとなりました。リビングや寝室はオーク柄の床材だが、水回りやキッチンは水に強いタイル、という住み分けをしていた家庭でも、塩ビ床の発展によって、家全体で統一的なインテリアデザインができるようになったのです。

Oak Naturalの施工例

ちなみに、欧米ではバスルームのような場所への施工もされていますが、日本ではこういった施工方法は推奨されていません。欧米のようにバスタブの上にシャワーが設置され、お湯が床材に直接かからない欧米式のバスルームと異なり、日本の場合シャワーの熱湯が直接床材に落ち、床材を痛めやすくなってしまうからです。

関連記事:重要なのはデザインと耐水性!キッチンに適した床材とは?

耐久性

石灰石を混ぜ込んだSPC基板は、従来のLVTの柔らかい樹脂よりも高度な耐久性を実現しました。例えば、EN ISO 24343-1に「Indentation-residual」、すなわち残留凹み量、という認証基準があるのですが、この値をパラドー社のLVTフロアとSPCフロアで比較すると、2倍(値はデータシートを参考)の差が出ています。

このことは、例えば賃貸住宅などで重い家具・家電を乗せていた床が凹んでいるか、原状復帰なしで次の人に貸し出せるかの違いが出てきます。

また、メーカーによっては商業施設のような使用頻度が高い箇所への施工も推奨しており(パラドー社製の製品も商業施設使用可)、駅前のカフェやオフィスなど、デザイン性のある床材を施工しづらかった箇所にも施工が可能です。

耐熱性

石灰石を基盤に加えたことのもう一つのメリットが、今までLVTが悩まされていた熱への膨張に対し、耐性を持つようになった点です。夏場の猛暑日や直射日光によって突き上げが起きてしまうというLVTクリックフロアに対し、SPCフロアはその問題点を劇的に改善しました(最も、超高熱に対しては他床材同様に問題を生じるため、使用に限度はある)。

このことは、今まで塩ビ系床材の使用が敬遠されていた、大きな面積空間へのSPCフロアの施工を可能にすることとなります。また、高温多湿で輸入床材のトラブルの絶えなかった日本の気候条件にも適する仕様となりました。

SPCフロアのデメリット

一方で、SPCフロアにもメリットばかりでなくデメリットもあります。耐久性を上げるために石灰石を混ぜ込んだことで、既存のLVT床と比較すると以下のようなデメリットが挙げられます。

重量

鉱物である石灰石は、当然ビニル樹脂よりも重量の面で重く、耐久性を強化する代わりに製品自体の重量が増すこととなります。㎡辺りの重量に換算すると、パラドー社の製品比較表によれば、SPCフロアでは約9㎏/m2、LVTフロアでは約8.5㎏/m2で(ちなみに、木質フローリングは約7㎏/m2)、施工の際に微量ながら施工者の負担が増すこととなります。

硬さ

もう一つ、石灰石を混ぜ、耐久性・耐熱性を向上させた結果として、製品自体の硬さが増したことが挙げられます。こうした硬さの部分は、耐久性という面ではメリットである反面(上述の通り、重い家具などを載せても凹みが付きにくくなる)、施工時に細かい部分の切り出しがしづらいなどのデメリットにもなりえます。

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