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2023.9.22

【喫茶店と床材】スペックとデザイン性から考えるベストな床材選び

監修

インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー/キッチンスペシャリスト猿渡 奈央

海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

喫茶店は、店舗設計に機能性とデザイン性の絶妙なバランスが求められる、インテリア計画の難度が高い業態です。中でも床は、専有面積の広さゆえ店のイメージを決定付ける重要な要素であり、かつ日々多くの人が土足で利用するため耐久性や耐水性などのスペック面でも店舗を支える役割を担います。

訪れる人に心地よい空間を提供し、同時にスタッフにも働きやすい環境を用意するために、床材選びは店づくりのカギと言えます。今回は、喫茶店に最適な床材の選び方を、スペックとデザインの両面から考察します。

喫茶店の床材が担う役割と、客層から見る最適化

喫茶店の床材には、

  • 商業利用
  • 土足利用
  • 飲食店

という3つの観点から、耐久性とメンテナンス性が重要視されます。また、レストランと比べて提供物による優劣が付きづらいことや、おもに休憩や雑談に使われるという用途から、オシャレさや雰囲気といったビジュアル面も大切です。商業利用である以上使える予算は限られるので、機能性/デザイン性/コストという3つバランスが取れた素材が最適な床材と言えるでしょう。

【喫茶店の床材に求められる機能】

(1)耐水性

客席床の清潔感は集客にダイレクトに響きます。水やコーヒーをこぼすことが頻繁に起こりうる喫茶店では、床材の耐水性の高さはメンテナンス性や店の回転率に直結する問題です。

(2)耐久性

1日の店舗あたりの来客数は小規模な店で30~40人、大規模な店で100~200人と言われる喫茶店業(参考資料:厚生労働省「喫茶店営業の実態と経営改善の方策」)。多くの人が日々土足で歩き回る上、椅子やテーブルをひく・荷台で仕入れをする、などの挙動に耐えうる強度が必要不可欠です。

(3)デザイン性

他の飲食店に比べて内装に重点を置く必要性が高い喫茶店業。喫茶店における客層は大きく二つに分けられ、それぞれ目指すべきインテリアの傾向は異なるものの、両者共通で重視すべき点は「居心地の良さ」です。店の雰囲気を左右する床材は、周りの什器とのバランスを取りつつターゲットに合わせて最適化することが求められます。

カジュアルフォーマル/ビジネス
客層若年~中年層(目安10代~40代)中年~高齢層(目安30代~)
用途気軽に座りたい時
(ひとり休憩、雑談)
落ち着いて話をしたい時
(読書、商談、ミーティング)
雰囲気にぎやか、オシャレ静か、落ち着いている
滞在時間短め長め
マッチする内装明るい、オシャレ、トレンド、ハイチェアなどひとりでも入りやすい雰囲気高級感のある家具、座り心地の良い椅子/ソファ、重厚感のある床やカーテン、アート/装飾品

喫茶店に最適なスペックの床材とは

店の「見た目」と、「店舗運営」の両方に影響する床材。特にカジュアル系の店舗は客の入れ替わりが早いので、スタッフによる掃除のしやすさや滑りにくさなどの効率も重視すべきポイントです。以下に、店舗系床材の代表格7素材をピックアップして比較してみましょう。

7素材の中では、複合フローリング/長尺シート/フロアタイルが、土足利用を前提とした喫茶店の床材として適していると評価できます。中でもフロアタイルは耐久性が抜群に高く、デザイン性・メンテナンス性とコストのバランスも良いオールラウンダー。第一候補として名乗りをあげる素材です。

フロアタイルの素材は一般的にPVC(ポリ塩化ビニル)が主流でしたが、2010年後半から販売が開始されたSPCフロアはその耐水性と耐久性の高さからマーケットを拡大し続けている注目素材です。塩ビと石灰石の混合素材であるSPCは、PVCと比べて伸縮率が低く抑えられており、熱による突き上げが起こりにくいのも大きな特長です。

パラドー社のSPCフロアはヨーロッパ規格のWC31(またはWC33)をクリアしており、土足や商用利用に適したスペックであることが保証されています。SPCフロアの数少ない欠点である防音性の問題は裏面の防音パットによって対策がなされ、熱による伸縮も少ないので床暖房仕様の店舗にも導入できる床材です。

関連記事:「あらゆるスペースのシチュエーションに対応するParador社のSPC床材が持つ『6つの性能』」
関連記事:「オーク柄のSPCフロアと木質オークフローリングの比較 」

客層&インテリアスタイルから選ぶには

機能面で選ぶべき素材が明確になったところで、次はインテリアスタイルにフォーカスして具体的に選択してみましょう。前述のカジュアル系/フォーマル系を代表するスタイル各2選とそれぞれの床材選びのポイント、マッチするSPCフロアを紹介します。

カジュアルスタイル1例目は、インダストリアル系インテリアです。クールさと素朴さの同居したスタイルが特徴で、床材にも素材そのものの味が出ているデザイン(古木感のあるフローリング、モルタル、タイルなど)が似合います。

 【インテリアの特徴】

  • カラーパレット:黒、ウッド系、メタル系
  • アイテム:無骨、使用感

マッチする床材例

KUNSTWERK COLLECTION PLUS
#101 Oak Explorer caramel
KUNSTWERK COLLECTION PLUS+
#103 Oak Vintage grey
KUNSTWERK COLLECTION PLUS
#501 Industrial Canvas grey

カジュアルスタイル2例目は、バイオフィリック系インテリアです。自然界に存在するナチュラルなカラーリングやフォルムを使った、最近注目のスタイルです。加工感が少なく木目を強く感じるフローリングや、天然石モチーフのタイルなどがマッチします。

 【インテリアの特徴】

  • カラーパレット:白、ウッド系、グリーン、アースカラー
  • アイテム:クリーン、ナチュラル、自然を感じさせるなだらかなフォルム

マッチする床材例

KUNSTWERK COLLECTION
#1 Oak Memory natural
KUNSTWERK COLLECTION
#6 Oak natural
KUNSTWERK COLLECTION PLUS
#505 Dolomite white

次にフォーマルスタイル。1例目は、クラシック系インテリアです。高級感とあたたかみが同居した居心地の良い空気感を醸し出し、ビジネスユースにも適したスタイル。家具もクラシックで落ち着いたデザインが多いため、足下にも重厚感を感じさせる床材との合わせがバランス良く仕上がります。落ち着いた色味のフローリングや大理石・御影石など天然石をモチーフにしたタイルなどが似合います。

 【インテリアの特徴】

  • カラーパレット:落ち着いたダークカラー、ウッド系、メタル系
  • アイテム:クラシック、高級感、重厚感、凝ったディティール

マッチする床材例

KUNSTWERK COLLECTION PLUS
#101 Oak Explorer caramel
KUNSTWERK COLLECTION PLUS
#504 Concrete grey
KUNSTWERK COLLECTION PLUS
#506 Granite anthracite

フォーマルスタイル2例目は、モダン系インテリアです。デザインはシンプルでありながら、素材で遊びを取り入れたインテリアが印象的なスタイル。クリーンでマット感のある床材が似合うので、フローリングであれば節や木目の主張が強くないものがベスト。大理石モチーフやモルタル仕上げもマッチします。

 【インテリアの特徴】

  • カラーパレット:白、黒、グレー、明るい差し色
  • アイテム:スタイリッシュ、上品、シンプル、クリーン

マッチする床材例

KUNSTWERK COLLECTION
#8 Oak Studioline sanded
KUNSTWERK COLLECTION PLUS
#503 Mineral grey
KUNSTWERK COLLECTION PLUS
#505 Dolomite white

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