床材の知識

2022.2.11

輸入床材を購入する際に注意すべき5つのポイント

監修

インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏

海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

北欧風、プロヴァンス風、北米風、といったいわゆる「欧米文化」をモチーフにした建築やインテリアの人気はとどまることを知りません。特にコロナで海外旅行がより困難になった今日、自宅の内装や欧州風のカフェ・レストランでプチ旅行気分に浸りたい、という需要も高まっています。

こうした「欧米風」インテリアの主役となるのが輸入建材(特にこの場合では欧米製の)で、日本にはない独特の柄や幅広なデザインで、異国情緒あふれた空間を演出するのに一役買うこと間違いないでしょう。

一方で、こうした輸入床材を購入する際には、注意が必要になってくるのも事実です。特に名前を知らない新しいメーカー等、実情を知らずに購入してしまうと後から思わぬ落とし穴が待っています。今回は、そうした輸入床材を購入する際に注意すべき5つのポイントについて解説します。

日本の規制をクリアしているか

輸入床材を購入する際の最大の注意点は「日本の規制をパスしているか」どうかです。アメリカやスイス、シンガポールなどは規制の厳しい国として知られていますが、こういった国の製品であっても、国のルールが異なる以上、日本の規制をクリアしているとは限りません。

例えば、日本にはエフ・フォースター(ホルムアルデヒド規制認定)や防炎認定などが存在しますが、これを満たせる海外のメーカーの数はかなり限られてきます。製品自体の構造もしかり、日本での認定が必要となることから、実務的にその認定のとれないメーカーも少なくありません。

クンストベルクコレクションに関して言うと、当然のことながら防炎認定の認可を受けており、エフ・フォースターに関しては構造上そもそも取得を必要としない、健康に配慮したドイツ製床材(複合フローリングのように、ホルムアルデヒドを発散する接着剤を使用しているわけではない)となっています。

日本の気候・環境に対応しているか

輸入建材を論じる上で難しいのが、海外では最適なソリューションが必ずしも日本でも最適であるとは限らない点です。床材に限らず、輸入製品はそれぞれの国の文化や風習、気候に密接に関係します。

輸入床材を日本に取り入れた際に問題となるのが日本の四季、すなわち夏は高温多湿で冬は乾燥という、建材にとって難しい気候条件です。この四季の問題は、特に無垢材の輸入で床材のゆがみや反り、床鳴りなどの原因に発展します。特にラミネート床材などはこの高温多湿問題への対応が難しく、多くの海外メーカーが日本市場から撤退しました。

  • 夏の多湿、冬の乾燥の環境に対応できるか
  • 白アリなどの問題に対応できるか
  • 日本にある設備や道具などで施工できるか

この辺の問題は、対症療法的な部分もあり、製品自体に手を加えて処理するのが難しいこともあります(例えば、過度な防虫処理は健康被害を誘発する)。基本的には、あらゆる問題への対応法が確立されている、国内での施工実績がある製品の選択が望ましいでしょう。

関連記事:ウッドショックと木材不足、新生代床材の動向について

製造元・輸入元に信頼がおけるか

これも輸入床材に限らないことですが、輸入製品を購入する際には、必ず「1.日本国内の輸入代理店の信頼性」並びに「2.海外メーカーの信頼性」の双方を確認しなくてはいけません。

日本国内の輸入代理店の信頼性

1995年に施行された「製造物責任法(PL法)」は、消費者保護の観点から制定された法律で、基本的な考え方は「客観的に見て製品に欠陥があれば製造業者等は賠償責任を問われる」というものです。

つまり、消費者は、製品の瑕疵に関して問題があればメーカー側に返金、返品などを求めることができるのですが(ただし、経年劣化、施工上のミスなど、製品自体の欠陥でない場合はその限りでない)、このPL法、製造者が海外のメーカーの場合少しことがややこしくなります。

現実問題、日本国内に住む消費者が海外のメーカーを相手取って返金・返品手続きや裁判を起こすことは不可能なため、この場合同法の第二条に則って「輸入者」が責任を負う、こととなります。

PL法上の製造責任

そのため、いくらメーカーの出所がはっきりしていても、輸入者情報が乗せられてない並行輸入品や個人輸入の商品に関しては注意が必要になります。製品購入後に輸入代理店が倒産、雲隠れしてしまうと、返品・返金を訴えようにもできない状況になるため、輸入元が正規の、信頼のおける会社であるということは重要なチェックポイントになるのです。

海外メーカーの信頼性

上述の通り、国内の輸入代理店の信頼性は返品・返金などの際に重要になってきますが、かといって海外メーカーの身元も無視できない存在にはなります。

具体的には、将来的に製品が交換可能かどうか、という「可用性」の問題が挙げられます。例えば、気に入った柄があり、それを購入したとします。果たして3年後、部屋の増築や床を傷つけてしまったことで買い足しの需要が出てきたとき、その海外メーカーがすでに存在していなかったり、その製品を取り扱えないほど製品ラインナップをコロコロ変えているような会社だとしたら、同じ商品が二度と手に入らなくなってしまいます。

また、製品クオリティの問題として、返品・返金のようにお金で解決できる問題であればともかく、健康上のリスク(有害物質、ケガ)は賠償金を貰っても取り返しがつかないことがあります。特に、シックハウス症候群の引き金となる揮発性有機化合物(VOC)などに関しては、厳格なルールを設けているアメリカやEUの認証を得た製品の購入が望ましいでしょう。

関連記事:ドイツ大手床材メーカー、パラドー社の歴史とヒュルスグループとの関係

国内での施工実績があるか

上述の、「日本の気候・環境に対応しているか」に絡むポイントともなりますが、国内で施工実績があるか、あるいは自信をもって施工できる大工さんや内装業者さんがすでに存在するのか、は輸入建材を評価するにあたって重要なポイントとなります。

すでに施工した経験が有るということは、その建材の良い点、悪い点もろもろ含めて理解があるということで、室内環境、大きさ、将来のプランなどに応じて適切なアドバイスをしてもらえるアドバンテージを持ちます。

施工時は勿論のこと、施工後も安心してサポートを任せられる業者さんの体制が日本国内で整っているのかどうか、は満足のいく床材選びに欠かせないでしょう。

不可逆的な施工ではないか

上述のような点にいくら気をつけていても、やはり施工上のトラブルや、施工後に柄が気に入らなかったり、という問題はメーカーが国内であろうと海外であろうと避けられない問題として発生します。

こうした際に、床材が「不可逆的に取り外せない、あるいは取り外すことが難しい」施工になってしまっているのか、あるいは「気に入らなかった際に取り外せるのか」というのは大きな違いになります。

新築向けに「床材は固定して使うもの」という意識の強い日本と異なり、リノベ大国であるドイツの床は、模様替えが容易な「脱着可能」な床材となっています。こうした「いつでも取り外せる」という安心感があるだけで、床材を買う際に一生ものの取り返しのつかない大きな買い物としてプレッシャーを抱えずに済むでしょう。

関連記事:リノベ床の歴史:ドイツ製の床材はなぜリノベーション向きなのか

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