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2023.8.27
【ルミナスイエロー】2023年の日本の色は、「緩急」を付けてインテリアに取り入れよう
監修
インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー/キッチンスペシャリスト猿渡 奈央
海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。
日本でのカラーデザインの向上と豊かな色彩生活を目的に、アパレル、インテリア、化粧品など幅広い分野で国内市場向けのトレンドカラーを発信する日本流行色協会(JAFCA)。同協会が2023年の色として選んだのは、「ルミナスイエロー(Luminous Yellow)」です。パントン社が選ぶ今年のカラー・オブ・ザ・イヤー「ビバ・マゼンタ」は沈んだ気持ちを昂らせるような大胆な色でしたが、ルミナスイエローはその対極にあるような、私たちをそっと癒し、包んでくれるやわらかなパステルカラーです。
今回は、ルミナスイエローの色の特徴を解説しながら、同色をインテリアに取り入れる場合に注意すべき点やコツを、コーディネート例やマッチする床材とともにご紹介します。
「ルミナスイエロー」はどんな色?
JAFCAが発表したルミナスイエローのイメージは「やさしさに包まれるイエロー」。キーワードとして「共生」、「癒し」、「陽だまり」、「穏やか」、「希望」などが挙げられ、パンデミックや戦争、環境汚染などの先行き不透明感が続く中で、「心がふと軽くなるような、ほっと息をつけるような色」が求められているのではないかとの思いから選定に至ったとされています。クリーム色に近い、陽だまりを思わせるような黄色は、花びらやひよこの羽毛などを思い起こさせます。
ルミナスイエロー Luminous Yellow | |
マンセル値 | 6.2Y9.2/4.1 |
系統色名 | ペール・イエロー |
どう取り入れる?他の色との組み合わせ方とコツ
JAFCAは、ルミナスイエローとの配色カラーパレット(アソートカラー)6色を併せて発表しています。うち2色(リフレクション・シルバー、サーキュレーション・ブルー)はメタリックカラーであることからも、インテリアに取り入れる際にメタル素材との組み合わせもしやすいと考えられます。ビビットな黄色ほど派手でなく、カラーパレットのベイパー・ライラックやテンダー・ピンクのような他のペールトーンとの相性も良いので、スタイリング難易度が低く取り入れやすい色です。
JAFCAが提唱するルミナスイエローとの組み合わせアソートカラー (左上段から右に向かって) |
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ベイパー・ライラック(Vapor Lilac) |
クリーン・ホワイト(Clean White) |
テンダー・ピンク(Tender Pink) |
シルエット・グレー(Silhouette Gray) |
リフレクション・シルバー(Reflection Silver)※ |
サーキュレーション・ブルー(Circulation Blue)※ |
インテリアをルミナスイエローやペールトーンのみでコーディネートすると全体的にぼやけてしまうため、アクセントとして引き締めの役割を担う色を取り入れる必要があります。ルミナスイエローや白の使用面積が広い場合は、どの色とも喧嘩しない無彩色の黒やグレー、黄色の補色である紫、対照色である青系統を引き締め色として使用すると、メリハリが付いた空間を作ることができます。
ルミナスイエローを使ったコーディネート例と適した床材
ルミナスイエローのカラーコンセプトが「心を明るくする」点にフォーカスされているように、淡い色との組み合わせで明るい雰囲気の空間を作るのがベーシックなコーディネートとなります。オーク系で明度の高いオークスタジオラインサンデッドやオークナチュラルミックスグレイは、木目の主張が強くなく、ルミナスイエローのやさしい雰囲気によく馴染む床材です。他のアイテムとの相性でブラウン系かグレー系かを選ぶと良いでしょう。
反対に、ベースカラー(壁や天井)に明度の低い色を使っている場合は、大理石調のドロミテホワイトもマッチします。そのようなベースのトーンが低い空間にルミナスイエローを取り入れると、部分照明のような明るさを付与してくれ、空間全体の明暗のバランスが取りやすくなります。
ルミナスイエローの最も難易度の低い取り入れ方は、小物や小型家具にアクセントカラーとしてポイント使いすることです。下のコーディネート例では花瓶にルミナスイエローを用い、壁・床・チェアは淡い同系色でまとめていますが、飾り棚として使ったテーブルのダークブラウンやランプシェードのグレーで全体をうまく引き締めています。
次に、少し難易度を上げて、複数の小物や大型家具にアソートカラーとして取り入れる場合を見てみましょう。下のコーディネートは、壁やベッドを白とライト~ダークグレーの無彩色でまとめた無機質な空間に、クッションやテキスタイルに取り入れたルミナスイエローが明るさを加えている好例です。床材も白系でまとめることで、ルミナスイエローの明るさ・鮮やかさが際立つコーディネートとなっています。
下のコーディネートは、ルミナスイエローをソファと上部の壁紙の一部、アートの一部に散りばめた例です。正面・側面の壁紙と床もやわらかい色味でまとめているため、ソファ上のクッションとオットマン(黄色の対照色であるダークブルー)、ローテーブルや窓枠(ダークブラウン)、飾り棚やサイドテーブル(黒)で引き締めを図っています。色数が多い割にまとまっているのは、各色を一か所に固めず意図的に分散して配置したバランスの勝利であると言えるでしょう。
最後に、最も難易度の高い、壁などのベースカラーにルミナスイエローを取り入れる場合を見てみます。ルミナスイエローはやわらかい色だとは言え、壁一面に使った場合はそれなりにインパクトがあります。そのため、その空間に組み合わせるアイテムはデザイン・色味ともに個性が強くないものを選びましょう。下のコーディネート例では、配置しているキャビネット/スタンドライト/アートフレームともに線が細く、ベーシックな形状を組み合わせてデザインされているものを使っています。スタンドライト/アートフレーム/アートの黒が引き締めの役割を果たし、反対にキャビネットと床材は近しい色でまとめることで壁と上手く馴染ませることに成功しています。
【出展・参考】 ・JAFCA(一般社団法人 日本流行色協会) 「2023年の色は、「やさしさに包まれるイエロー」
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