2023.2.11
パラドージャパンSPC床材人気ランキング
監修
インテリアコーディネーター／窓装飾プランナー亀田彩夏
海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。
ドイツの老舗床材メーカー、パラドー社は日本を含め世界80ヵ国で床材（SPC床材、木質床材、ラミネート床材等）を販売しています。国によってその販売手法、人気のデザインなどは異なりますが、今回はその中でもパラドージャパンのラインナップに絞り、過去の人気デザインをランキング形式で解説していきます。
目次
第一位：Oak Grey Whitewashed
古木風の上品で落ち着いたイメージで、商業空間から賃貸、注文住宅に至るまであらゆる用途でフィットさせやすい「Oak Grey Whitewashed」がパラドージャパンにおける堂々の人気一位に輝きました。日本のみならず、本国ドイツ、北欧諸国などでも安定した人気を誇っており、まさに場所を選ばないオールラウンダーの床材と言えます。
元来グレーオークといった樹種は自然界には存在しませんが、あえて古木やわびさびのようなテイストを再現するために、着色されたグレー系のフローリングがヨーロッパでは浸透しました。本来のオークの持つビビッドな色合いを抑え、上品かつ静謐な雰囲気を醸すことに一役を担うグレーオークは、高級家具やインテリアを引き立てるのに抜群の効果を持つと言えるでしょう。
室内を柔和な光で満たしたい北欧風の間取りや、あえて鄙びた様子を醸したいワビサビスタイルのお供として利用される傾向にあり、時流に囚われずタイムレスな人気を博す製品です。
第二位：Oak Natural
ドイツの国樹として知られるオーク、その飽きの来ない自然のままのデザインをSPCに転嫁したパラドー社不動のベストセラー「Oak Natural」が、パラドージャパンにおける人気2位の座を手にしています。
本来のオークの持つ絶妙な綾、光の加減、木目や節をドイツパラドー社のデザイン・工学のエキスパートが長年の研究と試行錯誤の末に生み出したまさに芸術作品の名にふさわしい逸品です。自然の生む偶然のデザインを探求し、一つの板のデザインを起こすのに300近い自然の木片を分析して回るという並々ならぬこだわりを見せることでも有名です。
第三位：Oak Memory Natural
Oak Grey Whitewashed、Oak Naturalとは打って変わって、ラスティックオークがもつ自然の大胆な絵模様を惜しげもなくデザインとして利用したOak Memory Naturalがパラドージャパンの人気製品ランキング3位に数えられています。
力強いオークのフォルムは、暖色と相まって見る者、住む者に活力を与えます。ストレス軽減に役立つバイオフィリック的な環境に様変わりできることから、住宅物件のみならず、都心部のオフィスなどで広く用いられています。観葉植物や木質系のインテリアとの相性の良い床材と言えるでしょう。
第四位：Oak Natural Mix Grey
飽きが来ないように、デザインの中で特定パターンの繰り返しを避けることはフローリング製造者の鉄則と言えますが、その中でも特に自然の持つオークの色の違いをあえて適合させたOak Natural Mix Greyは、カントリー系、素朴な木質系のインテリアデザインとマッチすることで有名です。
自然界に生息するオーク材の持つ表情は千差万別で、湿度、気温、栄養環境や日照時間など、様々な条件に応じてその木目の造形やカラーバリエーションを変化させます。あえて不揃いな色合いの床材を当てはめることは、本国ドイツや北欧諸国でもトレンドとして受け入れらえており、観葉植物、ストーン、木質などの家具、調度と合わせて「素朴」で「温かい」印象を醸すことでしょう。
第五位：Oak Studioline Sanded
本来、木質床や家具の材料として使用されるオークのA級グレードといわれるものの特徴には、節や色の同一性、全体的な調和感などが条件づけられていました。節のない、あるいはほとんどないオークはその安定的な色合いから、調和を好むデザイナーなどに用いられてきましたが、自然界に供給される量が限定されており、環境配慮の観点などからも、このようにSPCなど別の素材を用いた節無しオークデザインに代用されつつあります。
床材そのものが存在感を持つOak Memory Naturalのような床材とは対照的に、全体的な主張を最小限に抑え、それでいて上品な味わいをもたらす節無しオークのOak Studioline Sandedは、インテリアを際立たせたいリビングルームやショールームに好んで用いられています。
番外編：Industrial Canvas grey
1位から5位まで、全てオーク柄がランキングを占める形となりましたが、石目調の中で最も人気を博したのが浮いた文字列のお洒落なIndustrial Canvas Greyです。ホテルやショールーム、住宅の水回りなど、清潔感、高級感の重視される環境に適したデザインで、本物のタイル同様、防水効果を持つ優れものです。
タイル本来の安定感を持ち合わせる一方で、表面にうっすらと透かしの入った文字列が絶妙なポップ感を醸し、見る者に重苦しい印象を与えません。
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