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2022.5.11
多機能インテリア(マルチ・ファンクショナリティ)とおすすめの床材
監修
インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏
海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。
COVID19の世界的流行は、世界の生活習慣を一変させました。その影響はインテリアトレンドにも色濃く反映されており、長引くロックダウンとホームオフィスで、仕事の主体はオフィスから自宅へと様変わりするようになりました。
そんな中生まれたインテリアトレンドが「多機能インテリア(マルチ・ファンクショナリティ)」と呼ばれる、今まで個別に分かたれていた生活スペースを多機能的に結合させる手法です。今回の記事では、この新時代のトレンドであるマルチ・ファンクショナリティの特徴と、それにあわせやすい床材について解説をおこないます。
多機能インテリア(マルチ・ファンクショナリティ)の特徴と歴史
「多機能インテリア(マルチ・ファンクショナリティ)」という概念自体が比較的新しいインテリア用語のため、学術的な定義などは定められていません。一般的には、どのような環境・需要にも適応できる、といった意味合いで用いられることが多く、マルチ・ファンクショナルな生活空間といえば、語義的には「リビングにも仕事スペースにも使える」といった形のニュアンスを醸します。こうした「生活空間と仕事空間を混ぜ込んだ」=ワーク・ライフ・ブレンド形式のインテリア需要は、コロナの発生とホームオフィスの広まりを契機に爆発的な増加曲線を描きました。
もっとも、コロナ発生以前から、生活環境がマルチ・ファンクション生活を受け入れる社会的土壌はすでに整っていました。すなわち、前世紀の家屋的特徴であった「寝室で睡眠し、キッチンで食事する」という、個々の部屋がそれぞれのキャラクターを持っていた時代から、家族構成の在り方の変化、人口集中と居住区間の縮小化、単身者の増加と流動性の向上、などのトレンドにのり、次第に「小さいスペースを上手く活用するため、様々な機能を内包した空間」へと需要が変容しつつあったのです。
家具チェーン店などで手軽に購入できる「ソファーに様変わりするベッド」や「ハンドルを収納し持ち運び可能なコーヒーテーブル」など、その場の状況に応じて生活空間を瞬時に様変わりさせられるような家具が登場したことが、多機能的なインテリアトレンドの嚆矢だったとも言われています。
いずれにせよ、旧来の意味での「寝室」「リビング」「書斎」という個別の部屋の敷居は薄れ、どころかオフィスと生活空間の垣根さえも混同された現代風の生活様式というのもが、マルチ・ファンクショナルなインテリア需要を助長させたわけです。
マルチ・ファンクショナリティ空間のための床材選び
マルチ・ファンクショナリティの特徴は、「多機能」という一語に集約されています。一つの空間で、リビングのように食事をし、オフィスのように仕事をし、寝室のように眠りにつく、という、起きてから寝るまでのプロセスを完結することを想定しています。
そのため、内装材の特徴として、どのような用途にも応えられる「オールラウンダー」としての素質が求められます。すなわち、キッチンの床のように耐水性・耐久性に優れ、人を招いても良いように意匠性に優れ、寝室にふさわしい心地よい、といった素材が望ましいというわけです。
こうした特徴を抜き出すと、マルチ・ファンクショナルをコンセプトに据えたインテリアに求められる床材は以下のような言葉で表せることができます。
- 変容する生活環境に合わせやすいタイムレスかつ意匠性のあるデザイン
- 「多機能」的に、あらゆる生活空間に対応できるオールラウンダー
- 将来的な模様変えが容易である
デザインに関して言うと、流行り廃りがなくどんなシーンにも適合させやすい木目柄が一般的に「多機能空間受けしやすい」床材と言われており、少し仕事環境寄りの空間づくりを目指すのであればコンクリート柄などもお勧めされます。
続いて、床材の素材に目を向けてみましょう。上述の通りリビングやキッチン回りのための耐水性・耐久性、寝室のための心地よさ、オフィスやリビングのための意匠性、といったオールラウンダー的な要素を必要とするのがマルチ・ファンクショナル・デザインのための床材選びです。
全ての用途で及第点を得なくてはいけないとなると、寝室に用いられることの多い無垢フローリングや、オフィスに用いられることの多いカーペットフロアといった特定の用途で強みを発揮する素材よりも、塩ビタイルやSPCフロアのような素材が好まれます。特に、パラドー社のクンストヴェルクコレクションは、無垢フローリングの意匠性をそのままに、塩ビタイル以上の耐久性を備えたSPC床材、というコンセプトの元に開発されたため、元々オールラウンダー床としての特徴を兼ね備えていました。
最後に、将来的な模様替えのためのフレキシビリティも重要なポイントです。今後の生活環境の変化によっては、オフィス兼用の書斎が子供部屋になるかもしれませんし、郊外に家を借りて今の家は誰かに貸してしまう、という方法も考えられます。そうしたニーズの変化にも対応できるように、床材はリノベ・解体の容易なクリック式であることがおすすめされます。
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