床材の知識

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    2022.3.9

    【徹底解説】ドイツ流のインテリアデザイン・間取りの特徴

    監修

    インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏

    海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

    芸術・造形・建築分野で近代以降先駆者的な立ち位置を担っていたドイツですが、南欧プロヴィンス風、北欧風、といったインテリアや建築が日本で有名なのと異なり、「ドイツ風デザイン」「ドイツ風インテリア」はあまり日本で知られていません。

    実際、ドイツで代表的な建築デザイン、インテリアデザインなどは商業施設などに多い印象で、個人の持ち家やアパートの内装など、ドイツ人がどのような暮らしをしているのか、日本人にとって未知の領域でしょう。今回は、こうした知られざるドイツ人の暮らし、インテリアについて詳しく解説を行いたいと思います。

    ドイツ人のデザインに対する姿勢

    こんなことを言ってしまうと元も子もないかもしれませんが、そもそも「その国らしいインテリアデザイン」が必ずしもその国で人気のデザインかと言われるとそういうわけではありません。

    日本でも北欧風、東南アジアコテージ風、といった建築様式やインテリアデザインが流行っていて、実際に「純和風」で家をコーディネートする割合は非常に少ないのと同様、ドイツでも「ザ・ドイツ」という方向性のインテリアデザインや建築に突き進む人の割合は非常に限られています。人によってはアジアの小物を買ってきて誂えたり、ある人は北欧風のパインをふんだんに取り入れたインテリアにしたり、といった形です。

    ドイツ・フランクフルトの家

    元々職人気質のドイツという国にあって家主は、家具や調度品、フローリングや電化製品の造形など、個々のパーツに関しては常軌を逸したこだわりを見せるのですが、こと全体としての「インテリア」に関して言うと他のヨーロッパのようなテンプレートを持たず、割と「自分で良い製品を買ってきて自分の好きに組み立てる」という精神文化を持ちます。以前の記事でふれたように、こうした「日曜大工製品」によって、ドイツでは床や壁は自分で仕上げるもの、という気質が根強いわけです。

    日曜大工で作るオシャレな空間

    そんなわけで、「現在一般的なドイツ人の家」というものを描こうとしても、個性や家族構成によって180度異なってきてしまうのです。特に、人口の3割以上がドイツ外のバックグラウンド(移民であったり、親が外国人であったり)を持つドイツにあって、すでに「典型的なドイツ人像」というもの自体が薄れ始めているのかもしれません。

    また、流行り廃りもあり、最近では日本のミニマリズムを取り入れた「ワビサビスタイル」や「北欧スタイル」、「モノクロームのインテリアデザイン」が人気を博していますが、これが5年後、10年後にどうなっているかはまた誰にも分かりません。

    ドイツの家の特徴・間取り

    その意味で、ドイツらしいインテリアデザイン、というものは、ある種ドイツの気候条件や家屋、文化の在り方に紐づいているとも言うことができます。

    どんよりと寒く、日照時間が極めて乏しい陰鬱な冬を乗り切るために、ドイツの窓は大きく、厚く、少しでも多くの日差しを外から吸収し、少しでも外の外気を遮断しよう、という意図を持ちます。気密性を高め、極力エネルギーに頼ることなく冬を乗り越えようとするパッシブハウスの基本理念もドイツ発祥です。

    気密性の高いドイツの窓

    元々夏は涼しく暮らしやすいため、クーラーを設置している家庭は少なく(最近は温暖化の影響で真夏日が増えましたが)、窓を開け放して夏の微風を楽しみます。

    ドイツの一戸建ての大きさの平均値は110㎡で、日本の90㎡と比べ約1.2倍くらい大きい値となります。日本同様、この値は都市部と田舎部で異なり、フランクフルトやベルリンのような大都市ではアパートでの生活が一般的になります。

    人口の4割強にあたる3800万人が「家に庭を持っている」と答えるほど庭に対する関心が高く、自宅に庭のもてないような層でも、郊外に「シュレーバー・ガーデン」といういわゆる借り庭を保持している層が多く、緑に触れて生活することを非常に好みます。

    ドイツの職人が長い時間をかけ生み出した「理想の床材」

    リビング

    ドイツのリビングのインテリアは、ドイツ人のコミュニケーション文化無くして語ることはできません。仕事上では冷静に、合理的に、時に冷血にみえる判断をくだすドイツ人ですが、家族や友人、恋人との交流となると話は別です。ワインやビールを片手に、映画を鑑賞したり、サッカーを見て盛り上がったりと、何かとリビングを「プライベートのコミュニケーションの場」として活用する機会が多いのです。

    こうした際に、自宅の本棚が自身の性格を表すように、客人にとってリビングのデザインもまた、家主の人となりを表すのに十分なセンスの表現場所になるわけです。

    「快適」な時間を客人に味わってもらうため、リビングの中心に鎮座し、存在感を放つソファーにはひと際こだわりを見せます。柔らかく、暖かく、客人がいつまでもその空間でくつろいで一緒の時を過ごしてくれるようなソファーを選ばなくてはならず、ひとえにドイツのソファー・家具作りが発展した理由もこうした文化的側面を持つでしょう。

    色のチョイスも難しいところです。高級感をもたらす黒を基調にした空間にするか、清潔感とさわやかさを演出する白を基調とするのか、ここら辺はセンスの分かれるところでしょう。

    人気のある床材は、やはりドイツの歴史を語るうえで欠かせない「オーク柄」を基調にしたものになりがちです。歩くと温かみの伝わる木質のフローリングにするか、はたまた高級感と清潔感を保ちやすい塩ビ系の床にするかはまた家主の個性の表れとなります。

    子供部屋

    「子供部屋」という文化は、近世のヨーロッパに起源をもち、明治維新と同時期に日本に輸入されました。幼児心理学、発展心理学と時期を同じくして、子供の知的で健全な発育のために、どのような環境が理想的なのか、という研究がヨーロッパでは盛んに行われていた時期です(そのため、レゴやジグソーパズルのような知育玩具もヨーロッパで発展を遂げました)。

    安全でありながら知的冒険を楽しめる空間として、子供部屋は現代にいたるまで発展を遂げました。塗り絵、切り絵、積み木遊び、レゴなど、子供の創造力を掻き立てる遊びができる玩具と、叩いても濡れても大丈夫な頑強な床材や壁材は、子供部屋のコンセプトとは不可分です。

    子供部屋のレイアウト、デザインも重要です。多くの人間にとって、芸術性の萌芽は幼少期の教育や環境に影響されるため、あまりにありきたりで陳腐な空間ではなく、真なるもの・美なるものに多く触れられるようデザインの工夫をこらす親は少なくありません。

    関連記事:知的教育に重要な子供部屋の役割とインテリア選びのコツについて

    キッチン

    空間にゆとりのあるドイツの住宅にあっては、キッチンとリビングテーブルが一体化された作りになっているものも少なくありません。ドイツにあって、キッチンとリビングのコミュニケーションは不可欠であり、料理をしながらリビングの家族と対話をしたり、客人の要望を聞いたりと、空間的に密接であることが多いのです。

    ドイツのキッチンで特徴的なのは、オーブンや食洗器がキッチンと一体となっている点でしょう。特に、オーブンはドイツの食卓に並ぶことの多いケーキやグラタン類を作るのに欠かせません。色合いに関しては、清潔さや明るさを求めるために白やライトグレーを基調としたデザインをする人もいれば、温かみのあるオークベースのデザインにすることもあります。

    間取り

    100年前に建てられた家屋をリノベーションして使用することもあれば、比較的新しい家屋もあり、中には壁を作ったり取り壊したりと割と自由に空間設計してしまうのがドイツ人の特徴です。そのため、日本の建売住宅のように統一感のある間取りが存在するというよりは、個々の家に応じてその特徴があると言えるでしょう。

    また、今まで一般的であった下記間取りのような「2階建て一軒家」(キッチン、リビングなどを1階部分にもってくる)だけでなく、都心部を中心にアパートやマンションなどの1フロア限定の仕様が増え、伝統的な「居間は一階、寝室や子供部屋は二階」という間取りが変容しつつあります。

    1Fの間取り図

    共通項として、光を取り入れるために「窓を多め」に設置し、リビングは「団らんとしても訪問客のもてなしにも使える」「ソファなど寛げる場所を設ける」ような形で、全体的に観葉植物やポスター・絵画のような心の清涼剤となるインテリアを取り入れる、といったことが言えるでしょうか。

    ドイツでブランドランクNo1-職人がこだわった一流床材

    ドイツ的インテリアデザイン

    さて、基本的には家主の個性や人間関係、家族構成によって大きく変わってくることのある「ドイツ流のインテリア」ですが、最後に「ドイツ風インテリア」として有名な2つの近代インテリアデザインについて紹介したいと思います。

    インダストリアル・デザイン

    ハンブルグ出身のデザイナー、ペーター・ベーレンス(1868~1940)を潮流の祖に持つとされるドイツ・インダストリアル・デザインは、半完成・未加工の材料の良さを隠さずに表に出すことで、工業的・男の隠れ家的なイメージをもたらそうとする試みです。

    彼がデザイナーとして活躍した時代はまさしく歴史の移り変わる激動の時期で、第一次世界大戦でドイツ帝国が崩壊し、ナチスが台頭し、ポーランド侵攻で第二次世界大戦が勃発するまでの時期を彼は駆け抜けました。その間は、ドイツの工業レベルが飛躍的に向上した時代でもあり、アメリカ型の大量生産・大量消費型の社会の発展と、それに伴う工業化が進みました。

    そのため、モチーフとされるものも、工業化のシンボルであるような古い工場や倉庫、研究所やその素材であることが多く、こうしたものを頭に浮かべると、ドイツ・インダストリアル・デザイン風の内装は成功させやすいかもしれません。コンクリート打ちっぱなしの壁、むき出しのダクト、金属の引き戸、レザーの小物など、ちょうど近世と現代のはざまの時代の体現であるように、モダンであるものとレトロであるものとをバランスよく融合させることがインダストリアル・デザインへの近道です。

    インダストリアル・デザイン

    バウハウス・デザイン

    時代背景もそのコンセプトも上述の「インダストリアル・デザイン」に近しいところもあり混同されがちですが、バウハウス・デザインの基本理念はどちらかというとデザインの一手法というより、建築・デザイン上の哲学、すなわち「総合芸術」の体現です。

    詳細の説明は「バウハウスの歴史」の記事に譲りますが、第一次世界大戦後の1919年、ワイマールに建てられたバウハウス学校は、既存の建築学校の枠組みから外れ、画家や彫刻家などを招聘し、今まで分離状態にあった「手工芸」と「芸術」を融合させるコンセプトの元に誕生しました。

    冗長で見るに堪えない貴族の遊びになってしまっていた建築や芸術を、無駄な装飾を取り払った、シンプルで機能的な美しさに回帰させよう、という試みであり、使われる素材やインテリアには曲線、直線、円、三角形、四角系、など、単純な造形が多く扱われています。

    「機能美」という概念がバウハウスデザインの、そしてドイツ流のデザインを理解する上での通奏低音なのかもしれません。こうしたインテリア・デザインの中には、過度に自慢じみた装飾や家具は見受けられず、シンプルに、暮らしやすさ、住みやすさを体現させた空間づくりが主体となっています。

    ドイツの職人が機能性とデザイン性を追求した「理想の床材」

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