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2022.12.16
インテリアにはお金がかかる?情報量を抑えて心豊かに暮らすヒント
監修
インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏
海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。
おしゃれな家具や流行のインテリアスタイルを追い求めるとお金がかかります。では多くの出費を覚悟しないと素敵な部屋は作れないのか?と言うと、そうとも限りません。インテリアで最も重要なことはバランス。どんなに高級な家具を揃えても、バランスが整っていない部屋は美しく見えないからです。
今回は、出費を抑えつつ部屋をスタイリッシュに見せるために気をつけるべきことは何か?そのポイントと工夫について紹介します。
目次
お金をかける/削る場所を考える
部屋に置くアイテムすべてを高級な物で揃えるのは、ほとんどの人にとって不可能なことです。インテリアにかけられる資金に限りがある以上、その割り振りを考えなければなりません。要は、どの場所にお金をかけると部屋全体の印象にプラスに働くか。逆に、印象に影響しない場所にかけるお金は積極的に削っていきましょう。
お金をかける場所
(1)面積が広く、耐久性が求められる場所
部屋の内装からプランニングする場合、壁・床・建具・ドアなど長期間使用し、簡単に変更がきかない場所には耐久性が高く、安っぽく見えない素材を選ぶべきです。また、どんなインテリアスタイルにも馴染みやすいカラーを選んでおくと、数年後にインテリアの好みが変わった場合にも融通が利きます。特に壁や床は面積が広いので、部屋の印象に大きく影響することを意識しておきましょう。
パラドー社のSPCフローリングは磨耗や衝撃、水に強い特長があり、突き上げも起こりにくいので、長期的な使用に向いています。
関連記事:フローリング・床材の暴れや突き上げの原因とその防ぎ方
【インテリアスタイルを選ばない床材例】
(2)目につきやすい/長時間目に入る場所
空間に入った時に最初に目に入る場所が部屋全体の印象に大きく影響する、というインテリアロジックがあります。この場所(フォーカルポイント)に質の良い物を置くことで、部屋全体を上品で華やかに印象付けることができます。
また、フォーカルポイントにデコレーションを集中させると、目線が一箇所に集まることで空間引き締め効果も期待できます。他には、ソファに腰掛けたりダイニングチェアに座った時に視線が向かう先など、比較的長い時間視野に入り続ける場所も大きなインパクトを持ちます。こだわりのアートやオブジェを設置するなど、作りたいイメージにマッチする物を厳選しましょう。
(3)来客が使う物
自宅インテリアは居住者にとって心地良いことが最重要であるのはもちろんですが、来客の目も意識しておく必要があります。来客が足を踏み入れる場所として考えられるのは、おもに玄関、リビングルーム、トイレ(バスルーム)の3箇所です。玄関先のコート掛けや傘立て、洗面台に置くソープディスペンサーやタオルなど、少し質の良いものを揃えておくと印象がアップします。
(4)照明
照明は、明るさ確保のためだけでなく、部屋の雰囲気づくりにも欠かせないアイテムです。ひとつひとつが高価である必要はありませんが、設置場所や電球の色・明るさが適切であることが大切です。アートにスポットを当ててホテルのような高級感を演出したり、天井をスタンドライトで照らして空間を広く見せる、といった雰囲気づくりが手軽にできるのが照明のメリット。暖かみのある赤み寄りの電球色で、朝焼けや夕焼けを思わせる3000K(ケルビン)以下の明るさが適しています。
関連記事:自宅でホテルライクなインテリアを実現する5つの法則
お金を削る場所
逆にお金をかけなくても部屋の印象に影響しないのは、目立たない場所や死角に置く物です。目立たせたくない・存在感を消したい物の代表は収納ですが、例えば個別には安価な収納ボックスやカゴでも、素材や色・サイズを揃えて統一感を出すことでチープさは抑えられます。
また、ゴミ箱など死角に置く物も、価格よりも目に付かない色やデザインであることの方が重要なアイテムです。 また、仮に目に付く場所にあっても、消耗が早い物や壊れやすい物はいずれ買い換えなければならないため、コストを抑える対象にすべきです。例えば頻繁に腰かけるソファ、クッション・ラグ・ベッドリネンなどのテキスタイル類、日常的に使う食器類などがこれに該当します。頻繁に洗濯を繰り返す物は、洗い替えを用意しておくと消耗を遅らせることができます。
家具の選び方
引越しや模様替えのたびに家具を買い換えることは、出費の面だけでなく環境保全の観点からも控えたい消費行動です。家具選びの際には長期的な使用を見据え、なるべく飽きが来にくく丈夫な家具を揃えることが大切です。
(1)汎用性のある家具を選ぶ
個性が強い家具は、単体で見ると素敵に見えても他の家具とのバランスを取ることが難しいアイテム。インテリアスタイルが変わっても使い回せる、シンプルなデザインの家具を選びましょう。北欧/ジャパンディ/コースタルスタイルなど、シンプルでソフト寄りの家具は、デザインの主張が控えめで応用が利く物が多いです。
関連記事:ベースカラーが生む印象の違いと配色のコツ
(2)複数の用途がある家具を選ぶ
複数の用途がある家具とは、つまり「複数の機能が備わったアイテム」と「違った用途に使い回せるアイテム」を意味します。例えばオープンシェルフは、飾り棚として使えるのはもちろん、ボックスを利用して見せない収納としても活躍します。縦長の本棚を横に置いてベンチの機能を持たせたり、踏み台を観葉植物置き場に使ったりすることもできます。また、大型家具を増やさない工夫として、木製パレットやすのこをベッドにする、長持をコーヒーテーブルとして使うなど、本来家具以外の用途で使われている物を家具として転用することも、フレキシブルな暮らしを保つためのアイデアです。
(3)家具のテイスト・サイズ感を揃える
家具やデコレーションの統一感は、空間のまとまりや高級感に直結しています。スタイルはもちろん、色や素材、家具の高さと奥行きを揃えることを意識して家具選びをしましょう。床の寸法に合っているカーテンを選ぶことも、部屋を野暮ったく見せないために気を配るべきポイントです。
(4)経年劣化しづらい/経年で味が出る素材を選ぶ
長い間使ってもなお愛着がわく家具を選ぼうと思ったら、長期間の使用に耐える素材であるかどうかを見極めなければなりません。時間が経っても劣化しづらい素材としては金属やガラス、味が出る素材としては木や革があげられます。同じ木でも樹種によって経年変化が異なるので、前もって変化のイメージを持っておくようにしましょう。
デコレーションの工夫
デコレーションは、情報量を絞って注目させたい場所に集中させます。入口の対角線上のスポットが、インテリアコーディネートにおいて最も目線が集まる場所であるフォーカルポイントに該当します。フォーカルポイントの壁に絵画をかける場合は、目に付きやすい150cm前後の高さに飾るとよいでしょう。
デコレーションアイテムとして金属/鏡/ガラスなど光沢のあるものを取り入れると、空間に高級感が生まれます。複数のアイテムを飾る場合は、高低差を付けて三角形に置くとスタイリッシュに見せやすいでしょう。
キャンドル/花/クッションカバーは、安価かつ手軽に部屋の印象を変えたい時におすすめしたいアイテムです。占有面積が小さいので印象が強くなりすぎず、飽きたら簡単に取り替えることができるからです。また、シンプルなインテリア志向で部屋が殺風景に感じる時は、観葉植物を置くことで解決できるかもしれません。グリーンにはメンタルヘルスや作業効率にプラスの影響を与えることが報告されており、部屋の雰囲気を和らげつつ空気清浄効果も期待できる優秀アイテムです。
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