床材の知識

2022.9.21

生産性とモチベーションアップにつながる、集中できるオフィス環境の整え方

監修

インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏

海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

働く場所や働き方が多様化した昨今、オフィスの在り方にも変化が生まれています。オフィスは単なる労働の場ではなく、より快適に、より生産的に、よりクリエイティブに仕事ができる空間であること。そのための環境整備が企業側の重要課題となっています。

今回は、社員がモチベーションを高く保ち、集中して仕事ができるオフィス環境を整えるにはどうしたらよいのか、インテリアの観点からアプローチします。

オフィスに求められる役割とは?

まず、オフィスに求められる役割や目的について考えてみましょう。オフィスの用途には大きく分けて内向き(そこで働く人に対して)と外向き(来客や取引先に対して)の2つがあります。そのため両者のニーズを満たし、さまざまな人が使うことを考慮した機能とデザインでなければなりません。

【対内的ニーズ】
働きやすさ、集中できる環境、作業効率アップ、モチベーションアップ

【対外的ニーズ】
会社のブランディング、スタイリッシュに見える

生産性は、社内的ニーズがいかに満たされているかに大きく左右されます。社員個人のモチベーションやパフォーマンスは業績に直結するので、一見遠回りに見えても、一人ひとりの執務環境整備への投資が結果的に会社の利益につながるという見方が強くなっています。

関連記事:テレワークの効率を上げるには?自宅でも集中できる仕事空間のつくり方

集中できる仕事空間のつくり方:オフィス編

では、集中して仕事に取り組めるオフィス環境を整えるためには何に注意すればいいのでしょうか?以下のキーワードに着目し、レイアウト、床、緑、照明の4つの観点からポイントを紹介します。

◉集中できるオフィスづくりのためのキーワード

  • レイアウトに柔軟性を持たせる
  • 色の心理的効果を利用する
  • メンタルヘルスに着目する

(1)レイアウトと密度

オフィスデザインでは、コミュニケーションが取りやすく作業効率を最大化できるレイアウトと、従業員が圧迫感や動きづらさを感じない密度を考える必要があります。個室ではなく複数の従業員が同室で執務にあたる場合の一般的なレイアウトは、以下の3パターンが主流となっています。

  1. 対向式レイアウト(島型)
  2. 同向式レイアウト(並列型)  
  3. フリーアドレス式レイアウト
office-layout

最適なレイアウトは業種や職種によって異なるので、適材適所でゾーニングすべきです。オフィスワークが基本の職種には固定式(島型・並列型)を、営業など外出が多い職種にはフリーアドレス式を採用するなど、形式や統一感にとらわれず、柔軟性を持たせることが理想です。

固定式レイアウトのうち、島型は事務職や企画職などチームでコミュニケーションを取りながらの課題解決を必要とする職種に、並列型はデザイナーやエンジニアなど個人で取り組む課題が多い職種に向いていますが、いつも同じ場所・同じ環境で仕事をしていると視点を変えた発想が出づらいという欠点があります。解決方法として、デスクを離れて集中するためのカウンター席や、同僚と共同作業をしたい時に使えるフリースペースを用意するなどの対策が考えられます。また、必要に応じて自宅勤務も可能にするなど、アクティビティ・ベースド・ワーキング(ABW)をサポートする企業側の姿勢も欠かせません。

オフィスの密度は法令が示す一人あたりの基準値を基に考えますが、フレックスタイム制が浸透し、コロナ禍でテレワークが推進された今、オフィス人口が常時100%になることを想定して設計する必要性は薄くなっています。無駄のない設計のためには、社員の働き方や会社の方針を反映した出社率を見据えてオフィス面積を算出する必要があります。

厚生労働省の事務所衛生基準規則が示す労働者一人あたりの作業空間は10立法メートル以上(天井高を2.5メートルと想定した場合の面積は約4平方メートル)とされているので、

(4平方メートル × 利用社員数 × 出社率)+ 通路・什器・公共スペースなど

が適正面積の目安になります。通路やデスクと書庫の間隔は、人が余裕を持ってすれ違える、あるいはしゃがんで書類を取り出すことを想定し、建築基準法で規定されている廊下幅である1.6m(両側に部屋がある場合)を考慮するとよいでしょう。

(2)床の色づかい

オフィスの床は、面積が広い分、働く人の意識に大きく影響するパーツです。歩きやすさや耐久性といった素材面も重要ですが、落ち着いて仕事ができる空間づくりのために注目したいのは、色がもたらす心理的効果です。

在宅勤務での仕事空間づくりでも紹介しましたが、仕事空間には副交感神経を刺激して集中を助けるブルー系、気持ちを落ち着けて作業効率アップにつながるアースカラー系が向いています。オフィスの壁には圧迫感がなく空間を広く見せてくれる白やライトグレーが採用されることが多いので、フロアとのカラーコーディネートはしやすいと言えるでしょう。

明度が低めの色を使うと落ち着いて引き締まった空間に、明度が高めの色を使うと明るく開放感がある空間になります。灰青や灰緑を含むグレー系、茶色や濃いベージュといったウッド系の落ち着いたカラーを床面に使うと、足元に重さを感じるため仕事に集中しやすくなる効果があります。

グレー系フロアの例
グレー系フロアの例
#103-Oak-Vintage-Grey
床材例(1)#103 Oak Vintage Grey
#503-Mineral-Grey
床材例(2)#503 Mineral grey
#504-Concrete-Grey
床材例(3)#504 Concrete Grey

参考記事:【グレー系床材の特徴】オススメの壁・欧風インテリアとは?

ウッド系フロアの例
ウッド系フロアの例
床材例(1)#101 Oak Explorer caramel
床材例(2)#1 Oak Memory natural
床材例(3)#6 Oak natural

(3)緑視率

もうひとつ、仕事の生産性や集中力アップのために利用したい色が「緑」です。人の目に見える緑の割合を示す指標は「緑視率」と呼ばれ、仕事環境に観葉植物を設置して緑視率を上げると、メンタルヘルスや効率面でプラスの効果があることが豊橋技術科学大学の研究などで明らかにされています。

緑色には目の疲れを緩和する効果があるだけでなく、空間の閉塞感の解消にも役立つため、労働環境が改善され生産性向上につながると考えられます。集中力を高めるために適していると言われる緑視率10〜15%を目安に、オフィスに観葉植物を設置すると良いでしょう。メンテナンス面で生きた植物を設置するのが難しい場合は、フェイクでも効果があると報告されています。

オフィスに観葉植物を設置する例

生きた観葉植物の設置が可能であれば、植物が持つさまざまな特性を利用してより快適な労働環境を実現することができます。植物が放散するフィトンチッドという化学物質には、脳内のアルファ波の発生を促して自律神経を安定させる効果があり、落ち着いて仕事に取り組むための環境づくりに役立ちます。また、根から水分を吸って葉から蒸散させる性質によって、屋内の湿度調整、空気中の一酸化炭素濃度改善やVOC(揮発性有機化合物)除去など、職場の空気をクリーンな状態に保つ働きをしてくれることも大きなメリットです。

関連記事:バイオフィリック・デザインの歴史とインテリア分野での実践

(4)照明

集中力を保ちやすい明るさを確保することも、オフィスの環境整備で忘れてはならないポイントです。執務室の照明の明るさとして適しているのは、色温度(ケルビン数)が高い青白い光(昼光色)です。5000ケルビン前後の昼光色は文字を読むのに適しており、脳を覚醒させて集中力を高める効果があると言われています。また、厚生労働省の指針によると、「ディスプレイを用いる場合の書類上及びキーボ ード上における照度は300ルクス以上」が目安とされていますので、机上の明るさが足りない場合はデスクトップライトで調整してください。

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