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2023.1.10

アパレル系店舗に相応しい床材選びのコツ

監修

インテリアコーディネーター/窓装飾プランナー亀田彩夏

海外の有名床材ブランドなどを取り扱うインテリア総合商社勤務。インテリアコーディネーター、窓装飾プランナーの資格を保有。

小売店の中でも独特な立ち位置をもつアパレル業界。製品の移り変わりが激しく、テナントなどの制約が多い中、同時にデザイン性を追求していく必要があります。今回の記事では、アパレル店舗においてオススメの床材、および床材選択の注意点についてまとめていきます。

カフェ喫茶店飲食店小売店・ショップにおける床材の選び方も解説しているので、必要な形態にあわせてお読みください。

アパレル店舗の床選びに必要なこと

規模にもよりますが、超大型のファストファッションストアではなく、小型~中型のアパレルショップ(20坪~100坪程度)を対象とする場合、他の店舗系や飲食系の店づくりで求められるような高耐久性や耐水性を重視した作りというよりも、顧客を引き付けるエレガントな空間作り、すなわちデザイン性が重要になってきます。ビジネス形態上、他業態に比べことさら “デザイン” の重要性が高いアパレル業界では、まさにこの点が最重要課題と言えるでしょう。

特に、ウィンドウショッピングをしていても店の雰囲気が気に入って立ち寄ってみよう、という顧客も少なくなく、特に通りに向けて店内の様子を見せることもあり、良くも悪くも店全体の雰囲気を決定付けることとなる床材選びには慎重さが求められます。もっとも、デザインが重要と言っても、強調しすぎた床材を使用すると衣服以上に床やインテリアが目立つことになってしまうため、お洒落でありながら控え目、といった絶妙なデザインセンスが求められるのです。

アパレル店舗の床材選びで必要な要素

  • 衣服にホコリが貯まりやすいため、掃き掃除しやすい床材
  • 顧客を惹きつけるデザイン性や意匠性を重視した作り
  • 照明や壁などとの一貫したデザインコンセプト
  • 製品・展示品のデザインを損ねない控えめのデザイン
  • テナント契約であれば、原状復帰のしやすい床材

アパレル店舗の床材一覧

店舗形態(テナント、持ち物件、下床コンディション、大型、小型)、お店のコンセプト(ビンテージ、旗艦店、リサイクル、ファストファッション)、立地(モール内、駅内)といった諸条件によって好まれる床材の種類は根本的に異なってくる、という点を先に理解しておくことが重要です。それを踏まえた上で、一般的なアパレル業界の中で比較的用いられやすい床材種類を下記に示していきます。

モルタル

店全体的に落ち着いた印象を醸しやすく、床材自体は強調しすぎない、簡素なデザインであるにも関わらずエレガントな店づくりをしやすい鉄板の床材です。シンプルゆえにどのような製品とも比較的適合させやすく、特にビンテージ店などを中心に人気を持つと言えるでしょう。

最も、床材にモルタルを選ぶ場合、空間コンセプトの統一という観点から、照明、什器、小物類、といった部分まで一貫したデザインが必要となります。その素朴さゆえに一歩間違えると古臭い、安っぽい印象になってしまうこともあるため、デザイナーさんと打ち合わせのうえ、お店のコンセプトに合わせた使用方法が重要になります。

セラミックタイル・大理石

小売店の床材の記事でも紹介した通り、アパレル関係だけでなく小売店全般に広く用いられる、高耐久、高耐水の代名詞としてセラミックタイルや大理石が挙げられます。上述の通り、店の規模次第では高耐久・高耐水はアパレル施設向けの床材の特徴として必ずしも求められませんが、大型店舗であったり、一階部分に大きなエントランスを持つ店舗、台車を頻繁に使用する店舗など、こうした場合ではやはりセラミックタイルは人気です。

デザイン性の観点から、高級ホテルのロビーを連想させる洗練されたイメージを持つことから、旗艦店などに用いられる傾向にあります。一方で、値段の面や原状復帰の難しさがデメリットとなり、小型店舗などで汎用的に使用される、というまでは広まりづらい印象です。

店舗向け床材の事例:セラミックタイル

フローリング

耐久性や耐水性という面ではセラミックタイルやSPCフロアの後塵を拝すことが多い木質フローリングですが、木のぬくもり、一つ一つ柄の異なる自然のパターンなど、木質ならではの強みを持つため、小型~中型のブティックなどでは雰囲気づくりのために用いられることは少なくありません。特に、暖色を持つことが多く、以下の写真のように全体的に暖かみを帯びた空間づくりに適していると言えます。

店舗向け床材の事例:フローリング

塩ビタイル

汎用性が高く、店舗系でもケースに応じて柔軟なデザインとスペックが選びやすい事から、セラミックタイルと並びショップづくりの王道床材とされている塩ビタイルです。価格面での強みを持つ一方、弱点としては、セラミックタイルやSPCフロアと比較し耐久性が弱い傾向にあり、デザインも汎用品であることから他社との差別化が難しい点です。

店舗向け床材の事例:塩ビタイル

SPCフロア

塩ビタイルに石灰石を混ぜて作成された、高耐久・高耐水の床材です。ドイツパラドー社の製造しているSPCフロアは、デザインはドイツ人デザイナーによって作成されているため、意匠性とユニーク性が極めて高いことで知られています。加えて、ノリ・釘を使用しないクリック式での施工のため、原状復帰が容易で着せ替え人形のように床材を気軽に模様替えすることが可能です。

お店の雰囲気やコンセプトによって木目調、石目調の双方が選択可能ですが、他の床材同様、製品を目立たせるために、あまり強調しすぎない柄を選ぶのが良いでしょう。

世界的に有名な建築家、デザイナー、アーティストとのコラボレーションにより生まれたユニークで特別な床材
世界的に有名な建築家、デザイナー、アーティストとのコラボレーションにより生まれたユニークで特別な床材

アパレル店舗にお勧めのSPCフロア柄(木質)

上述の通り、展示されている衣服や宝飾を際立たさせるため、あまり節や木目の多い柄は避ける方が吉でしょう。下記のStudiolineシリーズのように節の無い控えめな柄か、ビンテージ系のショップであれば少し遊び心を見せてOak Vintage Greyのようなデザインを選んでみてもいいかも知れません。

【アパレル店舗向け耐水・耐久に優れた革新的なドイツ製SPC床材

アパレル店舗にお勧めのSPCフロア柄(石目)

セラミックタイルや大理石風の高級感を醸したければ、石目調のSPCフロアがおススメです。特に、中国の伝統的なタイル柄を模したHangzhouは、日本で類似品の殆どないユニークな製品として、デザイン的な差別化の図れる逸品です。

※店舗の種類別に適した床材を解説している記事はこちら

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